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北欧音楽鑑賞会

 土曜日、ステーンハンマル友の会 のコンサートをいつも聴きにいらして下さっている 高橋茂樹さんのお宅で開かれたプライベートなレコード鑑賞会にお邪魔して来ました。
 レコード、CDのコレクターであられる高橋さん。合わせて、3000枚を超えているとか・・・ 中でも、北欧のクラシック音楽のコレクションは充実していらっしゃいます。というわけで、今回は、目下 7/15「スウェーデン音楽の調べVol.4・北欧の響き」に向け、勉強中の私は、北欧のいわゆる民族ロマン主義と言われる音楽作品で、文献で目にするものの、母校の某音大図書館でも録音が所蔵されていないものをいくつかリクエスト。そのリクエストに答えていただけるという高橋さんのコレクションは恐るべしですが、しかも、今回は、私の研究内容に合わせて、北欧の民族ロマン主義をテーマにデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの4カ国の音楽作品を高橋さんの長年のコレクションを通した知識でオリジナル・プログラムを作っていただき、感激でした。
Talare_1 右の写真は、その鑑賞会で活躍したデンマーク製のスピーカー。中に宇宙人が入っていそうな形ですが、なんとこのスピーカー、部屋の家具の位置などを自分で把握して音を調節するという優れもの。遠近感のある臨場感あふれる音で、さながら小演奏会のようなレコード鑑賞会でした。
 
<鑑賞会 プログラム>
デンマーク
クーラウ(1786-1832):劇音楽「妖精の丘」Op.100より
ゲーゼ(1817-1890):弦楽の為のノヴェレッテ 第1番 Op.53 第1楽章
ホーネマン(1840-1906):「グレ組曲」より
ハイセ(1830-1879):歌曲「白鳥が夢見る時」「夏の歌」

ノルウェー
ブル(1810-1880):弦楽曲「独り」(スヴェンセン編曲)
歌曲「牛飼いの少女の日曜日」
ヴァイオリンとピアノの為のアンダンテ・カンタービレ
シンディング(1856-1941):ピアノ曲「春の囁き Op.32-3」
歌曲「春の日 Op.75-3)」
グレンダール(1847-1907):ピアノの為の3つの小品 Op.15より
第一曲「セレナーデ」

スウェーデン
リンドブラード(1801-1878):交響曲第1番ハ長調より第1楽章
歌曲「夏の日」「夜」
ステーンハンマル(1871-1927):演奏会用序曲「エクセルシオール」Op.13
ペッテション=ベリエル(1897-1942):ピアノ曲「フレーセの花々」より

フィンランド
カヤヌス(1856-1933):フィンランド狂詩曲第1番 Op.5
パルムグレン(1878-1951):ピアノ協奏曲第1番Op.13より第1楽章
ピアノ曲「24の前奏曲Op.17」より
第2曲「民謡風に」
メリカント(1868-1924):ピアノ曲「梢の高みにて」Op.26
カスキ(1885-1957):ピアノ曲「激流」Op.48-1
シベリウス(1865-1957):歌曲「春はいそぎゆく Op.13-4」
「泳げ、泳げ青い鴨」
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 北欧音楽の中でも、スウェーデン作曲家の作品のみをクローズアップしていつも活動をしていますが、このように北欧4カ国の音楽を似たような時代のものでまとめて聴いてみると、やはり、国によってなにかしらかの特質、色があることを実感します。音のない状態でその違いについて感じたことを言葉で説明したところで、意味がないと思いますので(音楽とは言葉で表現できないことを表現する芸術ですから!)ここでは一つ一つ詳しくお話しするのはやめておきますが、北欧諸国の音楽を聴くことでスウェーデンの音楽に対する感覚が更に鮮明になったことは、私にとってたいへん貴重な体験でした。
 鑑賞会がデンマーク、ノルウェーの音楽に続いてスウェーデンのステーンハンマルの音楽に辿り着いた時、ご一緒していた方が「理路整然とした感じね!」とおっしゃいました。私にとって、ステーンハンマルの音楽の「形式美」も演奏する上での大きな魅力のひとつなのですが、こういったことというのは、ひょっとすると演奏する側の一方的な興味なのだろうか?という疑問を持つこともあります。音楽を演奏されない方からも、こういった印象が出る、というのは、聴き手の方との感覚の共有ができそうな嬉しい希望に繋がりました。
 こうやって聴いていて、あともう一つ大きな発見は、デンマークにおけるクーラウやゲーゼら、スウェーデンにおけるベールヴァルドやヌーマンらのような、ドイツのメンデルスゾーンやシューマンといった作曲家達との交流があった音楽家たちの層がほとんどないフィンランドでのシベリウスというのは、なにか唐突ともいえる出現だったということ。シベリウスの偉大さを実感するとともに、同時代の北欧作曲家の存在を消してしまいそうなシベリウスの存在は、そんな状況とも関係しているような気がしました。
 あと印象に残ったのが、パルムグレンのピアノ協奏曲。ピアノの使い方がたいへん面白く、ピアノという楽器のいろいろな効果を使っているわりに、ピアノ本来の良さが出ているのだろうか?という疑問もあり、自分で演奏してみたい!と感じる作品では正直ありませんでしたが、これがステーンハンマルのピアノ協奏曲第2番とほぼ同時期に作られた、というのは、ちょっとしたショックでもありました。もちろん、斬新であれば良い、というわけではなく、だいたい音楽を聴く時に作曲年を見なくてはいけないという規則もないので、どちらの作品のが新しい響きか、ということで音楽を評価することはナンセンスだ、というが私の持論ではあるのですが、とはいえ、ステーンハンマルがこのピアノ協奏曲でやってみた「新しさ」というものは絶対にあるはずで、それを汲み取ることは作曲家の表現したかったことを理解することでもあります。
 その答えを7/15@東京オペラシティ・リサイタルホール「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」で表現し、北欧のピアノ協奏曲は、グリーグだけではない!ということを少しでも多くの方にお伝えできれば、と思います。
 
Suomi
Sverige ところで、北欧文化をこよなく愛する高橋さんのお宅は、北欧関連のものでいっぱい。北欧グッズをきれいに飾った棚を少しだけ紹介。左は、フィンランドの棚。右は、スウェーデンの棚。奥に見えるのは、スウェーデンの名歌手、リンドが描かれた紙幣。そして、左端には、なんと!ステーンハンマル友の会の特製ステッカーが!このかっこいいヴィルヘルム様のお姿のステッカーが欲しい方は、当会まで。(一枚¥200。収益金は、会の運営費にさせていただきます。)

  このように、ステーンハンマル友の会 は、高橋さんを始め、聴きにいらして下さるお客様より、様々な情報、ご協力をいただくことで活動ができております。皆様の暖かいご協力に感謝しつつ、内容の充実を常に心がけ、これからも活動を続けられれば、と思っております。今後とも、なにとぞよろしくお願い申し上げます!
(和田記代)
※恥ずかしながら、筆者は、スウェーデン以外の音楽の知識はまだまだ不十分です。(スウェーデンの音楽もですが・・・)この記事に関して、もしも、何か、音楽史上の間違いを見つけられた方がいらっしゃいましたら、ご教示いただければ幸いです。

「ムジカノーヴァ」6月号

 「ムジカノーヴァ」6月号の News&Events欄に、当会の「スウェーデン音楽の調べVol.4・北欧の響き」が紹介されました。この号は、「北欧のピアノ音楽(後編・フィンランド)」特集が組まれています。シベリウスはもちろん、メリカントやカスキ、パルムグレンの作品も紹介されていますので、ご興味のある方は是非。因みに、5月号では、「北欧のピアノ音楽(前編・ノルウェー)」としてグリーグを中心としてピアノ作品の特集が組まれています。
 というわけで、来月号には「北欧のピアノ特集(特別編・スウェーデン)」!となるかと思いきや、北欧のピアノ音楽特集は、ここで打ち止めのようです。我らがヴィルヘルム・ステーンハンマル様が没後100年となる二十年後には、音楽雑誌が揃って「スウェーデン音楽特集」を企画していただけるよう、当会ががんばらねばなりません。皆々様、どうぞ応援のほど、よろしくお願い申し上げます!

スヴェンスカ・フォルクダンス・ソシエテイテン(その2)

スウェーデンのフォークダンスを踊る会、スヴェンスカ・フォルクダンス・ソシエテイテン の例会に、今日もお邪魔しました。持病の肩の痛みがあり、首が回らない(借金はしてませんが)私は、今日は、見学のみ。皆様のステップの観察、そして流れる音楽の鑑賞だけでも、本当に貴重な体験です。
 仕事で遅刻した私が到着した時に、皆様が練習していらしたのはゆったりした三拍子のポルスカ。ニッケルハルパのCDで聴くポルスカは、わりと活発な印象のものが多かった為、指導されていた樋口さんに尋ねてみると、ポルスカにも、ゆったりしたもの、スウェイングするように元気なもの、いろいろ種類があるそうです。そう言われてみれば、「ステーンハンマル友の会」のサロンコンサートに登場したポスルカも、「アウリン:四つの水彩画」の中のポルスカ(Vol.22 青木調Vn&野田清隆Pf)は、憂いを帯びたゆったりした三拍子の曲、そして「ペッテション=ベリエル:アスポーケルス=ポルスカ」(Vol.24 向野由美子Ms&松尾優子Pf)は快活な三拍子の曲と、タイプが違うものでした。
 今日は、指導をされていた樋口さんともお話しさせていただきました。彼女は、毎年、スウェーデンにフォークダンスの勉強にいらしているそうで、スウェーデンのポルスカを日本に伝えたい、という思いで、SVETODA(スウェディッシュ・ダンス・クラブ)という会をつくって活動されています。私にとっては、「スウェーデン」という限定された国のフォークダンスを楽しんでいらっしゃるかたが、日本にこれほどいらしたことに驚いているのですが、樋口さんによると、フォークダンスの中では、チェコやメキシコのダンスの人気におされ、スウェーデンのダンスはなかなか広まらないそうです。そんな中、日本中を飛び回って、少しでもスウェーデンのフォークダンスの魅力を伝えたい、と活動をされているそうです。
 7/15「スウェーデン音楽の調べ・北欧の響き」で共演させていただく、ニッケルハルパの鎌倉和子さんも、フォークダンスがきっかけでニッケルハルパを始め、スウェーデンに一年間留学。現在、スウェーデンの民族音楽、民族舞踊の日本での普及に励んでおられます。
 私は、クラシック音楽の視点から、スウェーデンの民族音楽、民族舞踊に目を向けたわけですが、思いがけず、そこに熱いエネルギーをもった方々に出会うことができました。今回の「スウェーデン音楽の調べ」、私たちの情熱に加え、そんな方々のエネルギーも伝わるような演奏会になれば、と思います。
(和田記代)

6月のおすすめコンサート

 6月のおすすめコンサート情報です。
 今回は、北欧音楽のコンサートを二つ。今年は、グリーグ没後100年、シベリウス没後50年、ということで、日本でも北欧音楽が盛り上がっていますが、北欧の作曲家はもちろん、グリーグとシベリウスだけではありません。没後100年でグリーグと同じノルウェーのアガーテ・バッケル=グレンダール、没後50年でシベリウスと同じフィンランドのカスキ、彼らの音楽が聴ける演奏会です。(因みに・・・我らがヴィルヘルム・ステーンハンマル様は、没後80年です。特別企画募集中!?)

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◆アガーテ・バッケル=グレンダール
没後100年記念コンサート(その命日に)
6月4日(月)7:00開演
於:東京文化会館小ホール
全席自由 ¥4,000
出演:本島阿佐子(sop) 三輪郁・新井博江(pf)
チケット取り扱い:
東京文化会館チケットサービス 03-5815-5452他

谷戸基岩氏が代表を勤めておられる「知られざる作品を広める会」主催の「知られざる作品を広めるコンサート」シリーズの第5回目。

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◆森と湖の詩 サロンコンサート VIII
北欧の幹 〜若手音楽家シリーズ4〜
6月11日(月)7:15開演
於:タワーホール船堀 小ホール
全席自由 ¥2000(茶菓つき)
出演:平原あゆみ(pf) 新田ユリ(お話)

 フィンランドでも活躍されている指揮者、新田ユリ氏がプロデュースする年に2回のペースで行われている演奏会シリーズ。毎回、たいへん興味深いお話しを交えて、北欧音楽が紹介される。休憩時間に出されるフィンランドのパンやお菓子も楽しみ。
詳しくはこちら

「音楽現代」6月号

 「音楽現代」6月号のコンサートプレビュー欄で、当会の「スウェーデン音楽の調べvol.4・北欧の響き(7/15@東京オペラシティ リサイタルホール)」が紹介されました。
 公演まであと2ヶ月を切りました。プログラムのテーマについて、このブログでも少しずつお話ししていければ、と考えております。

5月12日「野田清隆 Pf」

070512サロンコンサートシリーズ vol.25
於:ミュージックサロン・サングレース(東京都府中市)
<曲目>
シューマン:森の情景 Op.82
杉原岳彦:ピアノ・マドリガル(2004)

シェーグレン:ピアノの為の抒情詩 Op.31
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第6番 Op.82
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  ドイツリートを思わせるシューマンの作品で始まったコンサート。
 続いて演奏されたのは、杉原岳彦:ピアノ・マドリガル(2004)。リズミックな面白さ、ピアニスティックな響きの美しさ、そして抒情的な魅力(by 筆者の個人的感想。拙い文章では表現しきれません・・・)が野田さんの集中力のある演奏で心に響いてくる音楽でした。会場にいらして下さった杉原岳彦さん(右写真)にも、熱い拍手が送られました。T_sugihara

 後半は、スウェーデンの作曲家、シェーグレンの音楽。「ピアノの為の抒情詩 Op.31」は3曲からなる作品。シューマン同様、歌曲を多く書いたシェーグレンのピアノ作品は、抒情的な魅力たっぷり。暖かい音による歌心あふれる野田さんの演奏で、それぞれのタイトルからイメージされる情景が浮かぶような音楽を堪能。
 最後は、エネルギッシュかつ構成感あるプロコフィエフの演奏。
 野田さんのユーモアあふれるトークも、たいへん分かりやすく興味深い内容で、楽しいコンサートでした。
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 左は、終演後に撮ったスナップ。すばらしい音楽を生み出して下さった野田さん、杉原さんと一緒で大喜びの子供たちです。当会のサロンコンサートでは、中学生以下割引券(¥1,000)をご用意させていただいていることから、親子で聴きに来て下さるかたも多くいらっしゃいます。間近で聴く生演奏は、子供たちにも楽しんでいただけるようで、ほとんどのお子様はリピーターになって下さいます。コンサートホールとは違い、演奏者と間近で音楽を感じることができるサロンコンサート、是非、子供にも素直な感性で音楽を聴いていただければ、と思っております。

スヴェンスカ・フォルクダンス・ソシエテイテン

 今日は、スウェーデンのフォークダンスを踊る会、「スヴェンスカ・フォルクダンス・ソシエテイテン」の例会にお邪魔しました。この会では、月に2回、例会を行っており、会員は40名ほどいらっしゃるそうです。スウェーデンから講師を招いて合宿をするなど、たいへん熱心に活動されています。

 私が例会に参加させていただいたのは、これで2回目。20名ほどの参加者の方々の中には、スウェーデンの民族衣装を着て踊られている方もおられ、熱心にダンスの習得をしながらも、心からダンスをすることを楽しんでいらっしゃるのが伝わってきます。皆様、たいへん親切にして下さり、足手まといになってしまう全く初心者の私も、輪に入れていただき、私自身も楽しく過ごさせていただきました。(とはいえ、私の相手になってしまった男性の方々は、楽しむどころでなく、たいへんだったと思いますが・・・  それにしても、初心者の私がどうにかこうにか雰囲気だけでも楽しめるよう、しっかりリードして下さる皆様のダンスの技術にはすっかり感心してしまいました。)

 当会の「スウェーデン音楽の調べ vol.4」(7/15@東京オペラシティ・リサイタルホール)では、スウェーデンの音楽の民族音楽からの影響もテーマの一部となっています。特に、2台ピアノによる編曲版で演奏するアルヴェーンのスウェーデン狂詩曲 第一番「夏至の徹夜祭」は、アルヴェーンがフォークダンスのメロディーにインスピレーションを受けて作曲されたことは明白です。
 ニッケルハルパの鎌倉和子さんが、アルヴェーンが集めたフォークダンスのメロディー集を探して下さいましたが、その中にある、2つのメロディーがこの作品の中で多少の変形をして使われていることは、分かっていました。しかし、他にもいくつか、明らかにダンスのメロディーらしいが出所が分からない、というモチーフがありましたので、今回、こちらのフォークダンスの会の方にお尋ねしてみると、なんと、すべてに即答!「こんなメロディーなんですが・・・」と鼻歌を歌うだけで、すぐにダンスのタイトルに加え、音源まで出して下さいました。また、この作品の出だしのメロディー(NHKの「今日の料理」のテーマに似ていることで有名)は、“ショーティシュ”となっているのですが、タイプとしては、“ポルカ”に近い、など、文献だけではとうてい分からないことをたくさん教えていただきました。

 それにしても、百聞は一見にしかず、とはまさしくその通り。まだ全く踊れない私も、ダンスの輪の中に入れていただいているだけで、皆様のリズムが感じられ、アルヴェーンの作品の様々な音が足踏みの音だったり、手拍子の音だったり、ターンの瞬間だったり、という想像がどんどん膨らみ・・・・2台ピアノへの編曲作業は済み、演奏準備に入っているのですが、新たなアイディアが湧き、多少、編曲をいじりたくなってきました。

 スヴェンスカ・フォルクダンス・ソシエテイテン の方々の暖かいご協力も加わり、「夏至の徹夜祭」の当会特別ヴァージョン、たいへん楽しいものができあがりそうです。
 →「スウェーデン音楽の調べ vol.4」詳細へ
(和田記代)

来週のサロンコンサート「野田清隆 pf」

K_noda当会の「サロンコンサートシリーズvol.25」のお知らせです。
■5月12日(土)3:00pm~
ミュージックサロン・サングレース
出演:野田清隆/ピアノ 
 今回は、スウェーデンの作品として、シェーグレン(「ショグレン」と表記されることもあります)の「ピアノの為の抒情詩」が演奏されます。シェーグレンは、多くの美しい歌曲をつくった作曲家です。ベルリンでも学んだシェーグレンの歌曲は、ドイツ・ロマン派の影響を受けつつ、度々訪れたフランスの香りも加わり、そこに北欧語の響きが重なった、独自の世界をつくっています。また、5曲のソナタを含むバイオリンの作品でもたいへん魅力的な音楽を書いています。
 ピアノソロの分野でも、キャラクターピース的なものを中心に、多く残されています。彼の作品の中で、この分野で最も優れた作品が残されているかは疑問の余地があると思いますが、今まで当会で演奏された「幻想小曲集」(宮下朋樹さんの演奏)、「エロティコン」(江尻南美さんの演奏)では、歌曲作曲家らしい抒情的な魅力を楽しませていただきました。今回の「ピアノの為の抒情詩」も、日本はもちろん、おそらく本国でもたいへん演奏機会が少ない作品だと思われます。
 他に、サロンにぴったりのシューマンの作品。プロコフィエフの大作、ピアノソナタ第6番では、コンサートホールでは味わえない、音量だけでなく第六感で感じる音楽の持つエネルギーをお楽しみいただけるはず。そして、2004年に作曲された 杉原岳彦:ピアノ・マドリガル も楽しみなプログラム。(詳しくはこちら

 エキサイティングな演奏会になることは間違いなし!
 一人でも多くの方に聴いていただければ、と思います。ご予約は、当会までお願い致します。

♪出演者の野田清隆さんより一言!
 これまでヴァイオリンの青木 調さんのコンサートで出演させていただいてきましたが、このたびはソロで、というお話をいただき、とても嬉しく思っております。
 なかなか馴染みの少ないスウェーデン作品をはじめ、知られざる魅力的な音楽を求めていらっしゃる皆様のことを思いつつプログラムを組みました。お楽しみいただけたらと思います。

スペルマンス・ステンマ・イン・ジャパン

 5月3日、大宮のさいたま市立生涯学習総合センター・多目的センターにて、「第二回 スペルマンス・ステンマ・イン・ジャパン」が開催されました。スペルマンとは、スウェーデン語で「演奏する人」。みんなで楽器を持ち合って集まって一緒に弾いて楽しむ会です。当会が7月15日に開催する「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」にもご出演予定のニッケルハルパ奏者、鎌倉和子さんの企画によるものです。鎌倉さんのお話しによりますと、スウェーデンでは、野原などで皆が楽器をもって集まり、誰かが何かを演奏し始めると、そこに自然に皆が集まり、一緒に演奏を始める・・・そんな楽しいスペルマンス・ステンマで音楽を楽しんでいるそうです。
 「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」でとりあげるアルヴェーンの作品『スウェーデン狂詩曲第一番“夏至の徹夜祭”』は、私にこのスウェーデンのステンマの話を思い出させます。

070503  さて、この日の会では、鎌倉さんにスウェーデンの民族音楽のメロディーを教えていただき、それぞれ持ち寄った楽器で一緒に演奏してみました。民族音楽は、伝承された音楽。(日本の民謡や伝統音楽も同じですよね)新しい曲の習得は、楽譜を使うのでなく、先生が少しずつ教えて下さるのを皆がまねして覚えていくのが基本で、鎌倉さんもスウェーデンへ留学された時は、学校でこのように勉強されたそうです。私も、会場にあったピアノで簡単な和音をつけたり、ニッケルハルパやカンテレでひろえるところだけ2、3音を入れてみたりと、気分だけ味わわせていただきました。
070503_2
途中で、なんと、2日前にANOMAでライヴをされたハーディングフェーレ奏者のフレーホルムさんが飛び入り参加して下さいました。フレーホルムさんからも、ノルウェーのメロディーを教えていただき、皆で演奏。お疲れのところ、私たちのリクエストにも快く答えて演奏も披露して下さいました。

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  この日は、ニッケルハルパはもちろん、アコースティックな楽器ならどんなものでもOKだったため、皆様、様々な楽器を持っての参加でした。せっかくですので、この日に見たニッケルハルパ以外の楽器も少しだけご紹介させていただきます。(まるで、民俗楽器博物館状態でした・・・)

5_3hardingfele_1 まずは、ノルウェーのハーデイングフェーレ。(写真はフレーホルムさん)ハーディングフェーレについては、こちらの記事をご覧下さい。

Kantele2 つぎは、フィンランドのカンテレ。これは、シンプルなタイプのもの。左ふたつは15弦。一番右は5弦。音階の音列で並んでいて、一回調弦すると、その調性でしか演奏できません。弦を指ではじいて演奏しますが、こんなにシンプルでも、テクニックを習得すれば、バイオリンのフラジオレットと同じ原理で倍音をひき出したり、弾かない弦を指でおさえて他の弦を掻きならし、和音のような効果を出すなど、多くの可能性が出てくる楽器だそうです。

Kantele_1 こちらは、進化した(?)カンテレ。38弦あります。左手前のレバーで弦全体の高さを一気に調節できることで、すべての調性の演奏が可能になります。(ハープの原理と同じですね)手前の板を押さえることで、弦の振動を止め、音の長さを規定することもできます。

Psaltery これは、プサルテリ(プサルタリ)。フランスのブルターニュ地方の楽器だそうです。カンテレに似ていますが、弓を使って音を出します。弦は高さが並行についているので、中央の弦はどうやって弾くのだろう、と思ったら・・・楽器の側面が斜めにカットされていて、その部分を使えば、すべての弦を弓で擦ることが可能なのですね。

Accordion これは、ボタン式アコーディオン。(写真は鎌倉和子さんのご主人様です。)鍵盤式のアコーディコンは小学校などでも触ったことがある方も多いのでは、と思いますが、あれはピアノなどが弾ける人が簡単に操れるようにつくったもの。右手が主にメロディー、左手が主に和音を演奏します。右手のボタンは、ひとつ押すと、斜めに並んだボタンも一緒に押さえられる仕組み。(音が二つ出るわけでなく、同じ音のボタンがあるのです)ピアノの鍵盤に慣れた私には、いくら説明していただいてもボタンの並びが理解しきれないのですが、ピアノの鍵盤のように白鍵と黒鍵の段差がないので、同じ指使いで移調が楽にできる、という利点があるそうです。

 スウェーデンのニッケルハルパについては、こちらの記事をご覧下さい。
(これらの楽器については、会場で楽器の持ち主の方々から私が直接伺った会話の記憶で書いております。何か、私の勘違いを発見された方がいらっしゃいましたら、ご教示いただければ幸いです。)

 今年、7月15日の「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」は、スウェーデンの作曲家が北欧独自の音楽を探っていった様子がテーマです。その中で、民族音楽の直接的・間接的影響も大きな役割を果たしています。そんな演奏会の準備時期のゴールデンウィークに、北欧の民俗楽器と接する機会をまとまった形でとれたことは、たいへん幸運でした。
 (和田記代)

ハーディングフェーレ(ハルダンゲル・ヴァイオリン)

Hardingfele 今日は、スウェーデンのお隣の国、ノルウェーの音楽に関するお話です。
 5月1日、ハーディングフェーレ奏者のブリット・パニッレ・フレーホルムのスペシャルライブが、台東区のアノマanomaで行われました。ハーディングフェーレは、ハルダンゲル・ヴァイオリンとも呼ばれる、ノルウェーのハルダンゲル地方で生まれた民族弦楽器です。
 フレーホルムさんは、今話題のラ・フォル・ジョルネのキッズ・プログラムの為にノルウェーから初来日。今回のライブは、12人でいっぱい、という会場での贅沢なパフォーマンスでした。ハーデイングフェーレとフェーレ(要するに普通のヴァイオリンです)を使い分けての一時間ほどの演奏。曲の合間に作品の簡単な解説、そして終演後の質問大会では、ノルウェー語の通訳を介して、貴重なお話しも聞かせていただくことができました。

 ハーデイングフェーレは、普通のヴァイオリンとほぼ同じ形をしていますが、スウェーデンのニッケルハルパのように、実際に弓で擦って音を出す4本の弦の下に、5本の共鳴弦が張られていることが大きな特徴です。調弦は、普通のヴァイオリンより高めに合わせるそうで、今回も全音近い違いがあったようです。曲によってふつうのヴァイオリンも演奏されましたが、ハーディングフェーレの後で聴くと、かなり重たい音に聴こえました。
 私たちクラシック畑の人間にとって、一番おもしろかったエピソードは、ハーディングフェーレの共鳴弦のチューニングを聴いてインスピレーションを得て、グリーグが作曲した曲がある、という話。共鳴弦は、上から、A-F#-E-D-B とするそうですが、さて、何の曲でしょう?高めに調弦したこの音程を聴いたグリーグには・・・「シーソーファーミーファーソ〜」そう、ペールギュントの「朝」になるわけです。(調べたところ、ハーディングフェーレの調弦については、地方によって、などでいろいろな種類があるようです)
 因みに、スウェーデンのニッケルハルパの共鳴弦は、ドからシまで半音ずつすべての音で12本ついているそうです。

 ブリット・パニッレ・フレーホルムさんのウェブサイトはこちら。こちらのサイトでは、視聴もできますので、音を聴いてみたい方は是非。
(和田記代)

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