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7月28日「大久保光哉Br & 大久保咲恵子Pf」

07728_1
サロンコンサートシリーズvol.27
於:ミュージックサロン・サングレース(東京都府中市)
<曲目>
A.F.リンドブラード:新婚旅行
A.セーデルマン:魔の湖
        ヘイメル王とアスレグ
H.アルヴェーン:花の小舟

W.ステーンハンマル:バラード
          フローレツとブランツェフロール
T.ラングストレム:「エーリク王の歌」 より
          “ヴェーラム・ヴェーラムソンとともに楽しんでいたときの歌”
          “踊っていたカーリンへの歌” 
          “エーリク王、最後の歌”
B.リンデ:「四つのバラード」より
       “ラーメクの息子たちのバラード”
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スウェーデンへの留学経験を持っておられる大久保光哉さんと、奥様でもあられるピアニスト大久保咲恵子さんによる、オール・スウェーデン歌曲によるリサイタルは、スウェーデン歌曲の父とも言われるリンドブラードの歌曲で始まりました。スウェーデン歌曲の中でも、スケールの大きな作品を選ばれた、という大久保さんのお話し通り、オリジナルがオーケストラ伴奏の作品、又は、オリジナルはピアノ伴奏でありながらもオーケストラ編曲版でも演奏されることもある作品が多く並んだプログラム。前半は、続いてセーデルマンとアルヴェーンの作品が演奏されました。セーデルマンをよく歌っていたスウェーデンの名テノール、ユッシ・ビョルリンクは、オペラ出演の前に一杯お酒をひっかけていた、とか、アルヴェーンの作品の音に、スウェーデンの夏の日が沈まない空を感じるなど、スウェーデンにお住まいの経験があられる方ならではの興味深く楽しいエピソードも聞かせていただきました。
07728_2  後半は、ステーンハンマルの歌曲の中でも演奏される機会が少ないと思われる“バラード”、そしてオリジナルはオーケストラ伴奏である“フローレツとブランツェフロール”。スウェーデン歌曲では欠かせない存在であるラングストレムの作品に続き、終わりはリンデのこれも聴かせていただく機会がたいへん少ない作品。歌詞についての細部に渡る内容をユーモアいっぱいにお話しいただけたのも、スウェーデン語を熟知しておられる大久保さんならでは。(最後の曲は口語発音、他は文語発音で演奏されたそうです>というのを終演後に教えていただいた、ということで筆者のスウェーデン語能力がまる見えですが)まるでオペラアリアのような表情豊かな演奏を楽しませていただきました。

 アンコールは、ショーベルイ:調べ    シベリウス:はじめてのキス

7/15「スウェーデン音楽の調べ vol.4・北欧の響き」の・・・

表題のコンサートの簡単な開催レポートが、カワイ音楽振興会のウェブサイトに掲載されています。

http://kawai-kmf.com/concert-info/2007/07.15/report/

→こちらの記事で書かせていただいたように、演奏会の感想、募集しております!是非、素直なご感想、コメントでお寄せ下さい!

来週のサロンコンサート「大久保光哉Br & 大久保咲恵子Pf」

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当会の「サロンコンサートシリーズvol.27」のお知らせです。
■7月28日(土)3:00pm~
ミュージックサロン・サングレース
出演:大久保光哉/バリトン 大久保咲恵子/ピアノ 

今回は、スウェーデンにも留学経験のあるバリトン歌手、大久保光哉さんによるリサイタルです。新国立劇場でのオペラや、オーケストラの定期公演への出演で活躍するとともに、北欧歌曲の紹介にも努めておられる大久保さんは、今回は、なんと、オール・スウェーデン歌曲のプログラムでサロンコンサートをして下さいます。リンドブラードからセーデルマン、アルヴェーン、ラングストレム、そして、ステーンハンマルのオリジナルはオーケストラ伴奏による歌曲である「フローレツとブランツェフロール 」も入っている、とあれば、北欧ファンには生唾もののコンサートです。また、少し新しい響きもするリンデの作品も、楽しみなプログラム。
 トークもお得意の大久保さんですので、どんな方にもお楽しみいただけるコンサートになると思います。
 ピアノは、音楽ライターとしても活躍しておられる大久保咲恵子さん。
 ぜひとも、お聴きの逃しのないように!
(詳しくはこちら
ご予約は、当会までお願い致します。

♪出演者の大久保光哉さんより一言!
 今回は、すべてスウェーデンの曲で構成しました。19世紀前半から20世紀に至るバラードを中心に、スケールの大きい作品を年代順に並べてみました。これらの音楽には、スウェーデンの光と影が反映されています。スウェーデンの空気を吸ってきた者として、そして北欧音楽を愛するものとして、皆様にスウェーデンの伝説、歴史、そしてアトモスフィアを感じていただければ幸いです

7月15日「スウェーデン音楽の調べvol.4・北欧の響き」

7月15日(日)、年一回行っている、当会のコンサートシリーズの集大成、「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」が開催されました。
 当日は、なんと、大型台風直撃の予報。朝から開催するかどうかの問い合わせの電話やメールが頻繁に寄せられましたが、無事、開演。悪天候の中、多くの方にお集りいただき、たいへん幸せでした。足を運んでいただいた方々、本当にありがとうございました。
 
スウェーデン音楽の調べ Vol.4『北欧の響き』
於:東京オペラシティ・リサイタルホール
出演:向野由美子/メゾ・ソプラノ 松尾優子/ピアノ 和田記代/ピアノ
   鎌倉和子/ニッケルハルパ 鎌倉博史/アコーディオン
曲目:→こちら を参照下さい

Kusakabe_san_1今回の演奏会では、メイン・ピアノとして、カワイより貸し出していただいコンサートグランドピアノを使用させていただきました。左は、そのピアノと、調律を担当して下さった日下部嘉明さんです。ピアニストは、こうして準備して下さった、いわば音のパレットを使って音楽を作っていくわけで、そういう意味ではピアノを準備していただく方々も、演奏に参加して下さっている、とも言えます。今回出演のピアニスト、松尾優子、和田記代は、事前に何度もカワイのコンサートグランドで練習をさせていただき、当日のピアノに関する質問や疑問にも日下部さんより丁寧にご説明いただきました。 お客さまのアンケートより「カワイとスタインウェイ(セカンドピアノとして使用)の音の違いも楽しかったです」とのご感想をいただけましたが、それも、演奏者が事前に楽器についていろいろと準備ができたお陰であると思います。ご協力下さったカワイの方々には、この場を借りて深くお礼申し上げます。

 さて、演奏会内容ですが、今回は、メゾ・ソプラノ、ピアノの演奏に加え、スウェーデンの民族楽器であるニッケルハルパによる民族音楽も交えた内容。休憩時間には、ニッケルハルパ奏者の鎌倉和子さんに、ロピーで簡単なレクチャーもしていただきました。民族音楽が、スウェーデンの作曲家に与えた影響を、自然に感じていただけていれば、と思います。
 7_15演奏内容については・・・今回は、ブログの書き込みをしている当会メインメンバーが全員参加の公演のため、誰が書いても、自分のことを書くことになってしまいますので、考えて込んでしまいました。(それで、この記事の書き込みも遅くなってしまったのですが。)というわけで、演奏会を聴きにいらして下さった方々、コメントでご感想などお寄せいただければ、たいへん嬉しいです!
とりあえずは、なんとなく雰囲気だけでも。右は、終演後の楽屋口です。。。。全く雰囲気わかりませんね。

 とにかく、少しでも音を想像していただけるよう、下は、出演者全員でアンコールで演奏させていただいたものです。曲は、民謡の「麗しヴェルムランド」。ペッテション=ベリエルのピアノ編曲版をもとにピアノ連弾にしたものをニッケルハルパとアコーディオンの前奏付きで。

♪アンコールをダウンロード

 以下、この演奏会について書いて下さったブログの記事を見つけました。
「ぴあのぴあ〜の うたのある生活」
http://blog.goo.ne.jp/akipi64/e/fe1fa7fdfc21acb3026befc526acba63
「武蔵野・菫館」
http://chie.air-nifty.com/sumire/2007/07/post_6830.html

本日の公演について

台風が来ておりますが、本日の公演「スウェーデン音楽の調べ vol.4・北欧の調べ」は、予定通り行います。天候が荒れておりますが、一人での多くの方にお聴きいただければ光栄でございます。

ニッケルハルパの音

7月15日 「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」の聴き所、最終回はスウェーデンの民族弦楽器・ニッケルハルパについてです。
 今回の演奏会では、スウェーデンのクラシック音楽が、民族音楽から受けた直接的・間接的な影響を自然に感じていただけるよう、スウェーデンの民族弦楽器・ニッケルハルパの演奏も交えてコンサートをさせていただきます。
 さて、このニッケルハルパ、という楽器ですが、原理はバイオリンと同じ。バイオリンとの大きな違いは、まず、音程を変えるためのキーがついていること。そしてもうひとつは、実際に弓で擦って音を出す弦の下に共鳴弦が張られていることです。くわしくは、→こちらの記事をごらん下さい。
 ニッケルハルパは、フォークダンスと一緒に演奏することもありますが、今回の曲目の中にも、「ワルツ」「ポルスカ」が入っています。同じく曲目の入っているペッテション=ベリエルの“アスポーケル=ポルスカ”、そしてアルヴェーンの“夏至の徹夜祭”に出てくるポルスカのリズムとご一緒にお楽しみいただければ、と思います。
 ステーンハンマルは、このように直接的に民族音楽のメロディーやリズムを作品の中に取り入れる、という方法はあまりとりませんでした。それでも、彼の生み出すメロディーには、何かしらか北欧の空気を感じることがしばしばです。それは、例えば、私たちがふと鼻歌を歌った時、知らないうちになんとなく演歌調になっていたりする(これって、私だけでしょうか?)というような、そんな不思議で自然な誰でもが持っている感覚と似たようなところがあるのかもしれません。そんな感覚も、今回の演奏会で、皆様に体験していただければ、と思います。
 
 スウェーデンの人々が自分たちの“好きな”音を探していくうちにできあがったであろうニッケルハルパという楽器の音を、皆様も是非、聴きにいらして下さい。ここでは、ほんの少しだけ、ニッケルハルパの音を入れておきます。曲は「麗しきヴェルムランド」の“一部”です。この民謡を全部お聴きになりたい方は、コンサートにお出かけ下さい。

ニッケルハルパの音 をダウンロード
(演奏は鎌倉和子さん)

 それでは、一人でも多くの方に演奏会会場でお目にかかれることを祈りつつ。
→「スウェーデン音楽の調べ vol.4」チケット予約はこちらまで

スウェーデン歌曲の魅力

7月15日 「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」の聴き所、第五弾は、スウェーデンの歌曲についてです。
 全人口900万人中、50万人が合唱の所属している、と言われる歌が大好きな国スウェーデン。合唱曲はもちろん、歌曲の分野でも多くの美しい作品が生まれています。これらの作品がなかなか国外で演奏されることがないのは、歌詞がスウェーデン語である、ということにも原因があるかもしれません。
 演奏会準備にあたり、いつも日本在住のスウェーデン人、Karl Arne Jonsson氏に発音や歌詞の内容のご指導をいただいておりますが、今回は、歌っている声でもスウェーデン語が聞き取れるようにと、歌唱つきの発音指導もしていただきました。
 
 さて、スウェーデンの歌曲ですが、オーケストラ作品がワーグナーやブラームスらの影響から発展したように、ドイツリートの流れから生まれたようです。シューマンとも親交があったヌーマン(1831-1885)は、スウェーデンの初めての本格的な連作歌曲と言われている「森の歌(1867)」をドイツ語の詩でつくっています。

♪ヌーマン:森の歌 をダウンロード
“緑の森で”“ざわざわするのは”“荒野は褐色に”“心はわたしのもの”“この谷はふたたび緑に”“森はつづく”
(向野由美子ms & 松尾優子pf 2006.9.24@東京オペラシティ リサイタルホール)

 同じゲルマン系の言葉であるスウェーデン語は、字面はドイツ語と似ているものの、発音は、ドイツ語より角がとれたような柔らかい流れるような音です。スウェーデンの歌曲がドイツリートとは違った色を放つのは、この言葉の響きが大きく関係していると思います。
 ステーンハンマルは、次のように言っていたそうです。「私が詩に音楽を作る時、“何かを作り上げる”のではなくただ、詩を読み、詩の中に入り、言葉の響きを聞く。そうすると、詩自体がメロディックな言葉になり、しゃべるメロディーとなる。そして、言葉のもつ感覚が和音となる・・・」 そんなステーンハンマルの歌曲は、スウェーデン語の響きの美しさを堪能できる作品になっています。

♪ステーンハンマル:さすらい人をダウンロード
(向野由美子ms & 和田記代pf 2005.7.3@東京オペラシティ リサイタルホール)
※こちらの録音はCD-Rでご購入いただけます。詳しくはこちらまで。

7月15日 「スウェーデン音楽の調べ Vol.4・北欧の響き」で演奏されるステーンハンマルの歌曲3曲でも、スウェーデン語を大切にするステーンハンマルの音楽をお楽しみいただけることと思います。

 さて、多くの歌曲を残したペッテション=ベリエルは、ステーンハンマルにはないスウェーデン歌曲の魅力を作っています。こちらの記事でも紹介したように、民謡的な響きにも敏感であった彼の歌曲は、スウェーデン人の心にすっと入っていく何かがあるようです。これこそ、スウェーデンという土地でしか生まれ得なかった音楽かもしれないですね。

♪ペッテション=ベリエル:グッレバーンの子守歌 第5番をダウンロード
元気な男の子“グッレバーン”の冒険の物語。オーケストラ伴奏を2台ピアノに編曲したもの。
(向野由美子ms & 松尾優子pf & 和田記代pf 2006.9.24@東京オペラシティ リサイタルホール)

 今回のコンサートでは、アルヴェーン、ステーンハンマル、ペッテション=ベリエルの歌曲をたっぷりお楽しみいただけます。是非、スウェーデン歌曲の魅力を発見しにいらして下さい!
→「スウェーデン音楽の調べ vol.4」チケット予約はこちらまで

アルヴェーン vs ステーンハンマル

7月15日 「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」の聴き所、第四弾は、アルヴェーン(1872-1960)のスウェーデン狂詩曲第一番「夏至の徹夜祭」についてです。
 当会の「スウェーデン音楽の調べ」では毎年恒例となった、出演メンバーに合わせた編曲によるオーケストラ作品、今回はNHKの「今日の料理」のテーマ曲にそっくりで有名な、アルヴェーンの「夏至の徹夜祭」が抜擢!2台ピアノにメゾ・ソプラノ、そしてニッケルハルパにも参加していただいての演奏です。「え?ニッケルハルパはいいとして、あの曲って歌あったっけ?」という方・・・メゾがどうやって出てくるかは乞うご期待!

 アルヴェーンは、スウェーデンの民族音楽の収集も行っており、民謡を素材とした音楽作品を多く作っています。「夏至の徹夜祭」も、ウップサラ大学図書館に残されているアルヴェーンが収集した民族音楽のメロディーの中から2つのメロディーがとられていますし、他も、実際にフォークダンスで踊られているメロディーが主体の作品です。(→こちらの記事もご参照下さい。)

 さて、この「夏至の徹夜祭」を意識してステーンハンマルが作曲したのが「冬至祭」である、と言われています。ステーンハンマルにはめずらしく民族音楽の素材を使った作品です。
 アルヴェーンの「夏至の徹夜祭」があたかもフォークダンスのメドレーのようで、多少ドンチャン騒ぎ的なところがあるのに対し、ステーンハンマルの「冬至祭」は、民族音楽的な素材をアカデミックにかっこよく仕上げていて、二人の性格を表しているようで面白いです。だいたい、アルヴェーンが夏を、ステーンハンマルが冬を選んだところで、彼ららしさが出ているのかもしれないですね。というわけで、「夏至の徹夜祭」を聴く前に、是非、ステーンハンマルの「冬至祭」をお聴き下さい!

♪ステーンハンマル:冬至祭 作品24をダウンロード
(和田記代/pf & 松尾優子/pf & 青木調/vn & 向野由美子/ms 2005.7.3@東京オペラシティ リサイタルホール)

 アルヴェーンの「夏至の徹夜祭」、ドンチャン騒ぎの中にも、フーガの技法が出て来たり、構成的にもたいへん美しくできている作品です。フォークダンスの雰囲気もお伝えできるような工夫も試行錯誤考えておりますので、是非、当会オリジナル版でこの作品の魅力をお楽しみ下さい!
→「スウェーデン音楽の調べ vol.4」チケット予約はこちらまで

ステーンハンマルのピアノ協奏曲

7月15日 「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」の聴き所、第三弾は、ステーンハンマル(1871-1927)のピアノ協奏曲についてです。
 名ピアニストでもあったステーンハンマルは、ピアノ協奏曲を2曲、書いています。
 スウェーデン音楽がドイツ文化から受けた影響をテーマとした昨年の「スウェーデン音楽の調べ Vol.3」では、二台ピアノ版で、第1番の第三、四楽章を取り上げました。

♪ステーンハンマル:ピアノ協奏曲 第1番 作品1
第三楽章Andante をダウンロード
第四楽章Allegro commodo をダウンロード
(和田記代/ソロ ピアノ&松尾優子/2nd ピアノ 2006.9.24@東京オペラシティ リサイタルホール)

 この作品は、ステーンハンマル23歳のころの作品です。交響曲のように四楽章形式、全曲演奏すると50分近くかかりますが、作風はブラームスのピアノ協奏曲を彷彿とさせるものです。この作品は、世界各地で演奏され、ステーンハンマルのピアノにリヒャルト・シュトラウスの指揮でもコンサートが行われたことがあったそうです。
 その後、ステーンハンマルはワーグナー風のオペラ「ティルフィング」を作曲し、成功を納めるものの、作曲に対する自信を失いかけたり、ブルックナーを思わせる交響曲を作曲した直後、北欧独自の響きをもったシベリウスの2番の交響曲を聴き、自分の交響曲を破棄するなど、スウェーデン人である自分にしかできない音への探求が続きます。

 こうした過程をこえて生まれたのが、ステーンハンマルの代表作と言われる、交響曲第2番、管弦楽のためのセレナーデ、そしてピアノ協奏曲第2番などです。
 
 さて、今回の「スウェーデン音楽の調べ Vol.4・北欧の響き」で、2台ピアノで演奏する「ピアノ協奏曲第2番」は、前作と同じ4楽章形式ながら、全体は続けて演奏され、時間は約30分。外見だけでなく、その音楽内容も、1番よりも引き締まり、たいへんオリジナリティーのある作品となっています。前作から10年ほどたってから作曲にとりかかったこの第2番。ステーンハンマルがどんな音を見つけたのか、是非、聴きにいらして下さい!
→「スウェーデン音楽の調べ vol.4」チケット予約はこちらまで

ペッテション=ベリエルの場合

7月15日 「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」の聴き所、第二弾は、ペッテション=ベリエル(1867-1942)の話です。
 Person-Berger は、「ぴーたーそんべるがー」と読みたくなってしまうのですが、「ペッテション=ベリエル」に近い(外国語を“完全に”日本語表記すること自体、不可能なのですが・・)発音になります。という余談はおいておき、彼の音楽の話。
 昨年、当会が行った「スウェーデン音楽の調べ Vol.3」では、タイトルを「スウェーデン音楽とドイツ文化」とし、スウェーデンの作曲家達が、ドイツに留学などし、ドイツの文化から影響を受けて発展していった様子をテーマにしましたが、そこでは、ペッテション=ベリエルのドイツ語による歌曲「ニーチェの詩 第一巻」を取り上げました。彼は、その頃の多くの北欧音楽家同様、ドイツに留学。ニーチェの哲学やワーグナーの音楽に惹かれ、ニーチェの哲学書をスウェーデン語訳して出版したり、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」のスウェーデン語版を作ってスウェーデン初演を行ったりしました。

♪ペッテション=ベリエル:F.ニーチェの詩 第一巻
“わたしの薔薇”“ヴェネツィア”“この人を見よ”“ツァラトゥストラの歓喜の歌”
をダウンロード

(向野由美子/メゾ・ソプラノ&松尾優子/ピアノ 2006.9.24@東京オペラシティ リサイタルホール)

 その一方、ペッテション=ベリエルは、スウェーデンの人が、「スウェーデン人の心の音楽」と言うほど、スウェーデンの生活の中に入っている音楽を作っています。実際、彼の作曲した曲を民謡だと思っている人もいるそうですが、確かに、スウェーデン民謡集に近い内容のCDなどにも、よく彼の作品が入っています。
 グリーグの音楽にも親しんだペッテション=ベリエルは、グリーグがノルウェー民族音楽のピアノ用編曲をしたように、スウェーデンの民族音楽のピアノ用編曲集を出しています。そうした中で、彼もスウェーデン人にしかできない、自分の音、リズムを発見していったのかもしれません。

♪ペッテション=ベリエルのスウェーデン民族音楽ピアノ曲集より“麗しのヴェルムランド”をダウンロード
(和田記代/ピアノ 2007.6.9@ミュージックサロン サングレース)

 当時の所謂「民族ロマン主義」と呼ばれた北欧作曲家の多くは、民族音楽のメロディーそのものに素材を求めて作曲をした作品を多く残しています。ペッテション=ベリエルの音楽が“民謡風”と形容されるのは、そういう方法(メロディーをそのまま借りてくる)をとったからではなく、彼の音楽自身が“民謡”になってしまっているからのようです。よく考えてみたら、作曲者がなく、伝承によって残っている“民謡”でも、最初は“誰か”が考え出したメロディーであり、そう思えば、そのうちペッテション=ベリエルの音楽がスウェーデンの民謡になってしまっても、おかしくないかもしれないですね。

♪ペッテション=ベリエル:「フレーセの花」より“夏の歌”をダウンロード
多くのスウェーデン人が民謡だと信じている曲の一つです。
(和田記代/ピアノ 2007.6.9@ミュージックサロン サングレース)

 スウェーデン作曲家が自分たち独自の音を発見していった様子をテーマにした「スウェーデン音楽の調べ Vol.4」では、ペッテション=ベリエルの“民謡風”な側面がよく出たスウェーデンの生活感が現れている歌曲を多く演奏致します。一度聴けば耳に残りそうな親しみのもてるメロディー、フォークダンスのリズムを使ったもの、きっとスウェーデン独自の歌曲をお楽しみいただけると思います。
→「スウェーデン音楽の調べ vol.4」チケット予約はこちらまで

「スウェーデン音楽の調べvol.4」聴き所

 当会が年一回行っているコンサート「スウェーデン音楽の調べvol.4」もあと2週間に迫ってまいりました。
  「スウェーデン音楽の調べ」とは、どんな演奏会なのだろう?と思っていらっしゃる方に、このブログを通して、これから少しずつ演奏会の内容をお伝えできれば、と思っております。

 さて、まずはこの会の名前にもさせていただいた「ステーンハンマル(1871-1927)」という作曲家について。北欧の作曲家といえば、ノルウェーのグリーグ、フィンランドのシベリウス、デンマークのニルセン。スウェーデンにも作曲家って、いるの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ステーンハンマルはこの3人の北欧作曲家と時代を共にしたスウェーデンを代表する作曲家のひとりです。指揮者でもあったステーンハンマルは、シベリウスやニルセンの交響曲の紹介にも努めましたが、自身も、多くの魅力的な作品を書いています。
 2曲の交響曲、管弦楽の為のセレナーデ、2曲のピアノ協奏曲などのオーケストラ作品の他、6曲の弦楽四重奏曲、そしてピアノパートが充実した歌曲も作っていて、北欧独特の、そしてノルウェー、フィンランド、デンマークとはまた少し違うスウェーデンの音を生み出しています。その中でも、カンタータ「ひとつの民族」の中の合唱曲“スヴァーリエ(スウェーデン)”はスウェーデンの第二国家とも言われるほどスウェーデンの人々に愛されている作品で、この曲がきっかけでステーンハンマルの音楽の魅力に惹かれた人も多いと思います。当会が2005年に行った「スウェーデン音楽の調べ vol.2・W.ステーンハンマルの音楽」では、独唱版で取り上げました。下は、その時の録音です。

♪ステーンハンマル:スヴェーリエ(スウェーデン)をダウンロード
(向野由美子/メゾ・ソプラノ&和田記代/ピアノ 2005.7.3@東京オペラシティ・リサイタルホール)

 7月15日(日)「スウェーデン音楽の調べ vol.4・北欧の響き」では、民族ロマン主義と言われる時代に、ステーンハンマルを始めとするスウェーデンの作曲家がスウェーデン独自の音を探っていった様子をテーマにしております。次回から、その内容について少しずつお話ししていきたいと思います。
→「スウェーデン音楽の調べ vol.4」チケット予約はこちらまで

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