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7/13「スウェーデン音楽の調べvol.5・東方への憧れ」

7月13日(日) 14:00開演
於:東京オペラシティ・リサイタルホール
■出演者
江尻南美(pf/正メンバー) 向野由美子(ms/正メンバー) 和田記代(pf/主宰)
荒井絵梨(vn/賛助出演) 鈴木千保(vn/賛助出演) 海野幹雄(vc/賛助出演)
■曲目
W.ペッテション=ベリエル:ノルランド風ラプソディ
H.ルーセンベリ:「14の中国の詩 」より
H.ルーセンベリ:主題と変奏
E.シェーグレン:月光の中の階段
S.フォン・コック:蓮の花
G. ド・フルメリ:「4つの中国の歌」作品66
A.アッテルベリ:組曲 第1番「オリエンタル」(Pカルテット版)
W.ステーンハンマル:ランプのアラジン王子
M.カルコフ:4手の為の「東洋の絵」 作品66d
M.カルコフ:10の日本のロマンス 作品45
W.ペッテション=ベリエル:オリエンタル・ダンス (編曲:和田記代)
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<当日、コンサートを聴いて下さった方の感想です>

「スウェーデン音楽の調べvol.5を聞いて」
 只今コンサートから帰って来たが、まだコンサートの感激が冷めやらぬまま、いろいろな音が耳に残っている。
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オペラシティのリサイタルホールで行われた、今年で5回目になるスウェーデン音楽の調べ。会場はたくさんの人で熱気にあふれていた。
まず江尻南美さんのソロピアノで始まる、少しグリーグっぽい曲調のペッテションの「ノルランド風ラプソディ」。楽しい北欧のお祭りを描写したようなオープニングにふさわしい曲で、変化の富んだ音色の江尻さんのピアノにため息。今日はまたピアノ(カワイコンサートグランド SK-EX)の音が素晴らしい。豊かな広がりをもった暖かい音の中に、北欧のつーんとした冷たい空気も感じられる、奏者の想いをそのまま伝えてくれそうな大変良く調整されたピアノだ。
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 続くルーセンベリの「14の中国の詩」は一気に極東に飛び、漢字の世界へ。向野由美子さんののびやかな歌声が心をつかむ。和田記代さんのピアノがその歌をあるときは静かに支え、あるときはもう一つの歌声となって他方の歌と絡み合う。「長相思」と「塞下曲」は圧巻。その後の「春眠暁を覚えず」でその興奮を抑えて静かに曲を閉じた。
 同じルーセンベリの「主題と変奏」。江尻さんのピアノを聞くと、音楽が「時間」の芸術だとわかる。最後のフレーズまで丁寧に丁寧に、音を紡んでゆく。
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 次に向野・和田コンビにバイオリンの新井絵梨さんが加わり、李白の漢詩を基にした歌曲が始まる。音程を自由に変えられるバイオリンが、またもう一つの声のように2つの声に分け入る。弦の音が入ると音楽がさらにぐんと広がり、人声を含む3つの楽器の息の合った、でも少しずつ主張の違った生の演奏が人間っぽくて楽しい。
もう1曲、李白の詩からフルメリが作曲している。李白の時代の中国を一生懸命イメージして聞いてみるが、遠いスウェーデンから想像するとこんな感じなのか、とそのギャップに驚きながら、向野さんの歌声の中に自分のイメージの中国を探してみる。これはとんでもなく難しいことなのではないのか?日本人の歌手が自分の想像を殺して、20世紀を生きた北欧作曲家のイメージする中国を歌う。そんなことを考えながら聞くと、歌声が北欧とアジアを行ったり来たりした。会場に「ブラボー」の声が響き、1部が終了した。

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不思議な感覚を覚えながらのしばしの休憩のあと、2部のオープニングでは突然アラブの世界へ。先ほどの荒井さんに、もう一人バイオリンの鈴木千保さんとチェロの海野幹雄さんが加わり、ピアノの和田さんとの四重奏。こちらは私たちのイメージするアラブ音楽と同じで、全く違和感がない。弦の重なり合う重厚な音に、親しみやすいメロディ。演奏者の中でただ一人の男性、海野さんが音楽のベースを支え、リズムの安定した楽しい演奏に心地よく聞き入った。
そしてこの会の名前になっている「ステーンハンマル」の「ランプとアラジンの王子」。ランプを失ったアラジンはただの人。他力本願では幸せになれない、という戒めを表すという解説を読むと、せめて物語の中だけでも夢を見させて、と言いたくなるが、もちろん起伏の富んだワクワクするような演奏で堪能した。全く向野さんのあのスマートな肢体から、どのようにしてあんなに声量のある素晴らしい「音」が出せるのか。ころころ転がる音からポルタメントの利いた艶っぽい音。そしてそこに変幻自在の情熱的な和田さんのピアノ。テクニックを超えたテクニックで幾多の表現を駆使して聞く者を魅了する。このお2人の個性がぶつかり合って対話する。そんなアンサンブルに聞く方はたまらない魅力を感じる。
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続くカルコフの「東洋の絵」は江尻さんと和田さんの連弾で。この曲は視覚や聴覚からのイマジネーションが感じられる、とあるが、私にとっては今日のコンサートの中で一番難解であった。イスラエルというまだ見ぬ国の情景が、無調性の音楽のなかで自由に行き通っているような感覚に捉われた。
同じカルコフの「10の日本のロマンス」は日本人として大変興味深く、また舞台前面に毛筆で書かれた短歌が映し出されたので、どっぷりと詩の中に浸かった状態で、またもや自分の中の日本と、北欧のイメージする日本の情景と心を比較しながら聞いた。ここは静寂と押し殺した感情で表現するべきところ(と私が思う)部分で、軽くひらひら舞いあがったり、激情を表して欲しいところで意外とあっさりやり過ごしてしまったり、と2つの文化の解釈の違いが面白かった。
ラストを飾る曲は、出演者全員によるペッテションの「オリエンタル・ダンス」。演奏者の表情が生き生きとして演奏を心から楽しんでいる。かわいい打楽器も加わって、親しみやすいメロディに聴衆の表情も和む。
 ピアノソロ・連弾、歌に弦、と趣向を凝らした変化のある構成で、また今回は「オリエンタル」を主題に、新しい世界を見させてもらった。プログラムのスウェーデン大使の言葉にあったように、まさに「若き才能溢れるグループ」による素晴らしい演奏の数々で、充実した午後だった。スウェーデンと日本との文化の交流に、これからもさらに貢献されていくよう期待したい。7_13e
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当日のコンサートを聴いて下さった方、感想をブログコメントやメールにていただければ光栄です!

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コメント

毎年この「スウェーデンの調べ」を楽しみにしている会社員です。
今回も、普段耳にすることが出来ない音楽にふれることができ大変楽しむことができました。

透明感にあふれる音楽、非常に心地良かったです。

ただ残念に思ったことがあります。
ピアノのソロに譜面が・・・・
暗譜が間に合わなかったのでしょうか。
聴いている側としてもう少し意気込みが感じられると良かったです。
個人的には、昨年の会のほうが活気を感じられました。

また来年もどんな音楽を聴かせていただけるか楽しみにしております。

今回、東洋の漢詩や和歌へ、北欧の作曲家がどのような「音」を感じるのか、とても楽しみにしていました。
特に和歌への音楽は、日本人として特別な想いもありどんな?ととても興味深かったです。学生時代不勉強だったにもかかわらずです。毛筆の字幕はありがたかったです。
えっと思うことはありましたが、演奏後の和田さんのコメントで納得。

それにしても、西洋の方が東洋の文化に大きな魅力を感じているのが、素直にうれしい。そういえば、チャイコフスキーにとっても、アラビアや中国はお菓子の国であり、もっと遡ると黄金の国ジパングでしたね。

今回、演奏家が楽しんでいらしているように感じました。今後のご活躍を期待します。

追伸:コンサートレポートがまたすばらしい。
   あの演奏がよみがえり、二度楽しめました。

13日の演奏会、とても充実したひと時でした。
歌もピアノも本当によく響き、柔らかで神秘的な音楽に酔いしれました。
 「日出づる国」と言っても、やはり東洋には眩しい太陽よりも、静かで心癒される月の光がぴったりのような気がしました。
 バラエティに富んだコンサートの企画、構成にも拍手!近くに小学生くらいの小さなお子さんもいたのですが、ずっと集中して聞いていましたよ。本当に楽しかったです。
 今回聞いた曲は、どれも全く違和感なくすんなりとはいってきました。
 いつも新しい感動をありがとうございます。
これからも楽しみにしていますよ!

皆様、暖かい演奏会感想コメント、ありがとうございました。
演奏会のプログラム内容にも、ご興味を持っていただけたようで、光栄です!
オリエンタリズムをテーマにした音楽であっても、透明感のある北欧・スウェーデンの音、感じていただけたなら、とても嬉しいです。
そういえば、チャイコフスキーのくるみ割り人形にも、そんな場面がありましたね。なるほど。
少し欲張りすぎて、プログラムが長くなってしまったのですが、お子様たちにも最後までお楽しみいただけたなら、幸せです。子供には子供用の音楽、ではなく、結局は真剣勝負の本物でないと子供も興味を持ってくれない、という私の個人的な考えも、間違っていなかったことになるのでしょうか。

コンサートにいらして下さった皆様、本当にありがとうございました。

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