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ハンス・ベートゲ

 08_07_01 7/13「スウェーデン音楽の調べ vol.5・東方への憧れ」では、もともとピアノ伴奏による歌曲、シェーグレン:月光の中の階段 作品59、S.フォン・コック:蓮の花(「神秘的な笛」より)を、バイオリンを入れた編成で演奏させていただきます。ピアノという楽器はあくまで打楽器。やはり弦楽器は歌とは相性抜群。歌とバイオリンの音色の絡みを、是非、お楽しみ下さい!
 先日は、その準備で、バイオリニストの荒井絵梨さん(左写真)と私(和田記代)の二人でちょっとした作戦会議。歌詞の内容を場面場面で照らし合わせながら、二人の旋律の作り方、音量の調整、いろいろ試しながら、音楽的なものを統一していきました。
 この二曲の歌詞は、ドイツの詩人、ハンス・ベートゲによる「中国の笛」という詩集からとられています。同じく、今回の演奏会でピアノのみの伴奏でとりあげる、ド・フルメリ:4つの中国の歌 作品66、も同じ詩集から歌詞がとられている歌曲集です。このドイツ語の詩集「中国の笛」は、マーラーが「大地の歌」で使用したことで有名ですが、実は、なんと180人以上の作曲家が、この詩集からインスピレーションを受けて作曲をしているそうです。その中には、シェーンベルク、リヒャルト・シュトラウス、シマノフスキー、マルティヌーなどもいます。
 さて、この「中国の笛」は、一応、唐時代の漢詩の訳、ということになっています。しかし、ベートゲ自体は中国語の素養はなく、フランス語訳を通して漢詩をドイツ語訳をしたハンス・ハイルマンの翻訳集をもとに、この詩集をつくりました。今回、とりあげる歌曲の歌詞は、いずれも、「李白」の詩の訳、ということになっていますが、しかし、内容が全く対応している李白の詩というのは、見つけることができません。例えば、ド・フルメリの作品の三曲目は、「赤い薔薇」となっていますが、だいたい、唐の時代の中国で「赤い薔薇」というのは、全くピンときません。内容を見てみると、なんだか、マラルメあたりの詩をも連想させるような幻想的なものだったり、たいへんドラマチックな愛の物語だったり・・・「あれ?漢詩って、こんなだったかしら?」と思ってしまいます。高校時代の漢詩の学習の記憶だけでは、思い違いをしているだけかしら?と思いながら、改めて李白の詩集などを読んでみましたが、やっぱり何かが違います。しかし、読み進めているうちに、妙にパーツだけはベートゲの詩に似ているものに行き当たりました。つまり、この「中国の笛」は、漢詩の翻訳、というより、漢詩をからインスピレーションを受け、ベートゲ自身が創作した詩、と考えた方が良いように思います。
 例えば、映画などでは、こういうことがよく起こります。ちゃんと原作者がいるのに、出来上がった作品は、時間的な制約の為だったり、効果的に観客に訴える為だったり、理由はそれぞれですが、内容や、登場人物まで、すっかり変わってしまっている、ということはよくあることです。これが、制作者の文化圏外の人物や場所を扱わなくてはいけない場合、「え、日本人て、こんなことしないのに・・」とか「中国には、こんなものないのに・・・」ということもよくありますよね。

 さて、ベートゲが描いた漢詩の世界とは?そしてそこからまたイマジネーションした作曲家たちの音楽とは?それは、是非、実際に演奏会にいらしてお確かめ下さい!

 今回、とりあげるシェーグレンとフォン・コックの作品は、ド・フルメリの「4つの中国の歌」の第一曲、第二曲と、歌詞が同じです。また、「4つの中国の歌」の第四曲は、マーラーが「大地の歌」で使用したものと同じ歌詞が出て来ます。同じ歌詞からイマジネーションされた音楽でも、作曲家によって、その捉え方が違うところも、きっとお楽しみいただけると思います。

 残券も残り少なくなって参りました。チケットのご予約は、お早めに!
 チケットのご予約は、→こちら のメールで。当会ウェブサイトからもご予約いただけます。

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