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スウェーデン滞在記(10)

3月24日
2010_3_24 この日は、王立オペラ劇場 Kungliga Operanの資料を見せていただきました。日本からメールで問合せをし、この日の朝10時に行くことになっていました。指定された入口から入り、受付に名前を言うと、まもなく、メールで何度かやりとりさせていただいた担当の方が来て下さいました。「何を調べたいのかしら?」と聞かれたので、「ステーンハンマルの時代のオペラ劇場のレパートリーを知りたい」旨、お願いしました。担当の方は、ちょっと考えて、「こんなので役に立つかしら?」と、王立オペラ劇場でプレミエを行なった演目の記録集の本を出して来て下さった後、年代順にファイリングしてある公演ポスターのコピーが置いてある本棚に案内して下さいました。そんなものを見せていただけるとは思わなかったので、大喜び。そこは、楽譜を揃えたり、コピーしたり、それを取りに来るスタッフ(合唱団員?)がいたり、と様々な事務的作業をしているところでしたが、その一角に、私が資料を閲覧できるスペースも作っていただきました。というわけで、調査開始!
 まずは、ステーンハンマルが登場しそうな1900年近辺のポスターをチェック・・・1898年に名前を発見。1898-99,1899-1900,1900-01のシーズン、そして1924-25のシーズンのポスターを一枚ずつ見て、ステーンハンマルが指揮をした演目と日にちをチェックしました。ご興味がある方は、彼が指揮をした演目とその回数を下記に纏めましたので、ご覧下さい。(ただし、一回だけチェックし、見直していないので、多少の数え間違いがあるかもしれません。ご了承下さい。でも、だいたいの様子はお分かりいただけると思います。)
「1898-1899年シーズンの記録」をダウンロード
「1899-1900年シーズンの記録」をダウンロード
「1900-1901年シーズンの記録」をダウンロード
「1924-1925年シーズンの記録」をダウンロード

 さて、今回のポスター閲覧で、私が思わず「うわ!」と独り言を叫んでしまったコンサート曲目は、下記のものです。
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●1925 年1 月16 日「スウェーデン・コンサート Svensk Konsert」
(指揮:W.ステーンハンマル)
ベールヴァルド F. Berwald:歌劇『ソリアのエストレッラ Estrella di Soria』への序曲
アウリン T. Aulin:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ハ短調 (ヴァイオリン:Gösta Björk)
ルーセンベリ H. Rosenberg:教会シンフォニア Sinfonia da chiesa 作品17
ステーンハンマル W. Stenhammar:カンタータ『歌 Sången』
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このブログを見て下さっている方々にとっては・・・想像するだけで、鳥肌が立ちそうな演奏会ですよね!タイムマシンが欲しい、と切実に願うのは、こういう時です。

ポスターをチェックしていて、一つ気になったことがありました。1898年〜1901年の間のポスターでは、指揮者の名前の前にタイトル(肩書)が書かれているのですが、ステーンハンマルの名前の前は、Hofkapellmästare(宮廷楽長)ではなく、単なるHr(英語のMr.にあたる)であることです。(1924-25年のポスターでは、指揮者の表示は全員、名前のみで、タイトル表示はありませんでした。)その部屋にいた方々に、この表示の違いを聞いてみましたが、誰もはっきりしたことが分りません。おそらく、Hr. の場合は、常任指揮者でなく、ゲスト(客演)だったのでは?ということで、担当の方が王立オペラ劇場のメンバーリストを出して来て下さいました。
 それを見ると、ステーンハンマルは1898-1900の間は、おそらく客演だったと思われますが、1900-1901年のシーズンは、王立オペラ劇場に指揮者として雇われていることになっていました。ただし、3人いる指揮者のうち、名前は一番下。下記は、リストに書かれていた指揮者の名前です。
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●1900-1901年の 指揮者(楽長) Kapellmästare
Nordqvist, C. (Förste Hofkapellmästaren 第一宮廷楽長)
Henneberg, R. (Hofkapellmästaren 宮廷楽長)
Stenhammar, W. (Hr)
※( )内は、ポスターに書かれていた名前の前のタイトル
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そして、リストの中に次にステーンハンマルの名前が出て来るのは、1924-25年のシーズン。
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●1924-1925年の 指揮者 Kapellmästare
Järnefelt, A
Grevillius, N
Stenhammar, W. (extra)
※この(extra)は、メンバーリストの中に書いてありました。“エキストラ”ということですので、代理、非常勤、という感じでしょうか?
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後日、王立オペラ劇場の公演にも足を運びましたが、こちらの最上階ホワイエにある代々の指揮者たちの肖像画の中に、ステーンハンマルの姿は見つけられません。それは、彼が一回も「第一宮廷楽長(指揮者)」になっていないからだったのです。

結局、気づくと4時間以上、ノンストップでポスター集に見入っていました。まだまだ見たいものもあったのですが、次の約束もあり、仕方なく中断。1901〜1924の間をチェックすることができず、たいへん残念でしたが、また次の機会に。でも、ポスターの文字を見ていると、当時の様子のイメージも湧いてきて、ステーンハンマルがどのような音楽作品の指揮をしたのかを知った事は、今後、彼の音楽作品を音にする上で、大きな助けになると思います。

この日は、その後、10年以上前に宿泊したホテルのレセプションにいた女性にランチのご招待を受けていました。彼女は、私がスウェーデン音楽の資料探しにスウェーデンに来たことを知って、その後も、北欧音楽関係のテレビ番組の録画ビデオを何度か送って下さったり、いつもたいへん親切にしていただいていました。人間の繋がりというのは、本当に楽しく、貴重なものです。

その後、メールで予約してあったBo Wallner のステーンハンマルの伝記全3巻を取りに古本屋さんへ。このお店、なんと、水曜日〜金曜日の午後4時〜6時しか開いていません。ここまでピンポイントでしか開いていないお店はあまりないかもしれませんが、でも、アンティークのお店は、午後しか開いていないところが多いようです。予約した本は、たいへん状態の良い本で大満足。

夕方は、ベルヴァルドホール Berwaldhallen へ、スウェーデン放送交響楽団のコンサートを聴きに。この日のプログラムは;
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マルティヌー:オーボエ協奏曲
メンデルスゾーン:交響曲 第3番『スコットランド』
(指揮:Krzysztof Urbanski オーボエ:Jakob Koranyi)
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 1時間強の、わりと短めのプログラムで、休憩はなしでした。どうやら、スウェーデン放送交響楽団の定期演奏会は、金曜日〜週末は少し長めのプログラム(おそらく休憩も入れると思います)、その他のウェークデイの夕方の演奏会は短めのプログラムで行なっているようです。今回のスウェーデン滞在では、多くの演奏会に行きましたが、比較的、プログラムが短い演奏会が多かったように思います。ヨーテボリで会ったギタリストのマーティンも「今日、前半40分、後半40分の曲目でやったら、少し長いと言われちゃった。東京やロンドンだったら、全く問題ないけれど、スウェーデンだと、ちょっと長かったかな。」と話していました。11年前、12年前に私がスウェーデンを訪れた時には、感じなかった点なので、これも、ひょっとすると最近のスウェーデンの傾向かもしれません。
 ウィークデイの夜でも、次の日の仕事の為の体力のことを気にせず、お客様に「楽しむ」為にコンサートに足を運んでいただく為に、プログラムの長さについても工夫することも、演奏会企画の上で1つのポイントかもしれません。

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コメント

ほんと、アウリンの協奏曲とカンタータ「歌」、ため息というか涙が出そうです。。。
 
貴重な記録をお調べいただき、本当にありがとうございました!!

>斉諧生さま
鳥肌を通り越して「涙」ですかhappy02
でも、本当にどんな演奏会だったのでしょうね!
国立音楽図書館での自筆譜閲覧もそうですが、行ってみないと、なかなか実際にできること、というのは分らないもので、現地に行ってから「あ、あれを調べておけばよかった」「あれを持って来ておけばよかった」ということが多く、準備不足が悔やまれました。次回、またスウェーデンを訪れる機会があれば、もう少し、要領良く情報収集できるかと思っているのですが・・・

アウリンのヴァイオリン協奏曲第3番は、2度目に北欧を訪ねた1988年にストックホルムでテレフセンの演奏するレコード(LP)を買い求めた大好きな思い出の曲です。ステーンハンマルのカンタータ「歌」ももちろん大好きです。これも同じ頃国内で輸入盤のCDを買い求めました。どちらもシベリウス、グリーク、ニールセン等の著名な北欧の作曲家以外の作品を僕が聴き始めた初期の頃から愛聴し続けています。
指揮がステーンハンマル!ほんとうにこの耳で聴いてみたかった(。>0<。)

>高橋様
本当に、ステーンハンマル様の指揮、どんなだったのでしょう?
レパートリーを見ると、かなり様々な曲目を振っていたようですし、想像は膨らみます。

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