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スウェーデン滞在記(7)

3月21日
2010_3_21 ヨーテボリの二日目。アンの手作りお魚料理でランチをいただき、その後、この時期にしか食べられないスウェーデンのお菓子 セムラ Semla 作り。このお菓子については、また改めて書かせていただきます。(写真はアンのお嬢様、オルガちゃんとセムラ)
 午後は、ヨーテボリ美術館 Göteborg Konstmuseum を訪れました。美術館の正面向かって左奥は、前日に訪れた演劇・音楽大学、その手前は市立劇場 Stadsteatern そして右隣はヨーテボリ交響楽団 Göteborgs Symfonikerが本拠地としているコンサートハウス Konserthuset があり、この一帯が文化地区のようになっています。
 夕方、前日のコンサートで初めてお会いしたヨーテボリ交響楽団のハープ奏者、松尾正代さんと、コンサートホール前で待ち合わせ。残念ながら、私のヨーテボリ滞在中に、ヨーテボリ交響楽団の演奏会はなかったのですが、この日は、「ステーンハンマル・ホール Stenhammarsallen」という名の小ホールで、イギリスから来たブロドスキー弦楽四重奏団の演奏会がありました。どんな演奏をするかも知らない四重奏団だったのですが、松尾さんも無理矢理お誘いしてしまいました。
2010_3_21a
 さて、ステーンハンマルの名がついたホールは、劇場型の2階席が少しだけある400人弱のこじんまりとしたホール。客席と舞台が近い印象。満席に近いお客様たちが、室内楽の演奏を聴くのをワクワクしながら待っている雰囲気でしたが、松尾さんは、「年配の方々ばかりだけど、本当は学生たちももっと聴きに来るべき」とおっしゃっていました。このジャンルの音楽文化を末永く活性化させるのに工夫が必要なのは、日本が「本場」と呼んでいる欧州でも、状況は私達が想像しているほど変わらないのかもしれません。でも、私は小学生くらいの子供達が何人か一緒に、興奮気味で聴きに来ているのを発見。お母様らしき方が、どこからか発泡スチロールのようなお座布団を持って来たので、松尾さんに何かお聞きすると、子供は座高が低く、前が見にくいので、座高を高くする為のお座布団がホールに用意してあるそうです。次に繋がる若いお客様を開拓する工夫、やっぱりホールもいろいろ考えているのですね。
 松尾さんのお話しですと、ヨーテボリ交響楽団では、毎年、子供の為のコンサートを企画するそうです。低学年用、中学年用、高学年用、中学生用、とプログラムをかえ、子供達を学校からコンサートホールに招待するそうです。正式なコンサートホールでコンサートを聴く、というのは、子供達にとって、とても良い経験になるに違いない、と松尾さんはおっしゃっていました。でも、スウェーデンでは、普通の公立小学校に「音楽の授業」というのがないそうです。ですので、五線紙の楽譜の読み方を習ってみたことがない、という人が沢山いて、それはたいへん残念だ、とおっしゃっていました。日本に多くのアマチュア・オーケストラが存在するのも、一応、皆、学校で五線譜に触れてみる経験があるからで、スウェーデンでは考えられない、というお話しでした。
 さて、この日のブロドスキー弦楽四重奏団 Brodsky Quartetのコンサート曲目は;
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ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第1番
プッチーニ:Crisantemi
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第6番
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第15番
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ショスタコーヴィチが終ったところで、演奏者より、英語でちょっとしたお話がありました。「今回、私たちのコンサートは『生と死』がテーマです。ショスタコーヴィチの曲は、彼の若い時期の生き生きとした作品。そして、今から演奏するプッチーニの作品は、突然亡くなった友人の死を悼んで彼が一晩で作曲した曲。続いて演奏するメンデルスゾーンの曲は、作曲者が姉の訃報を聞き、書かれた曲です。」とのこと。松尾さんに尋ねたところ、スウェーデンではこの様に、演奏会の合間にトークが入るものは珍しくないそうです。確かに、この後、私も様々なコンサートに行きましたが、演奏会の流れを壊してしまうほどしつこくもなく、でもちょっと舞台で誰かが挨拶程度に話をする、というコンサートがたいへん多かったです。10年以上前にスウェーデンを訪れた時には、あまり記憶していない光景で、もしかすると、お客さんを舞台に惹き付ける為の最近の傾向なのかもしれません。
2010_3_21b カルテットのコンサートが終った後、松尾さんに、普段、ヨーテボリ交響楽団のコンサートが行なわれている大ホールも少しだけ覗かせていただきました。左は、大ホールのロビーで見つけたプレート。内容を要約すると「コンサートハウスは1905年2月に建てられ、1928年1月に火事で焼け落ちた。・・・・ステーンハンマルとアウリンが指揮者として活動した。」と書かれています。2010_3_21c右は、ステーンハンマルの横顔。はい、良い男です。松尾さんに、舞台裏にまで忍びこませていただき、ちょっとお得な気分。楽団さんが飲んでいるコーヒーまでいただいてしまいました。この日は、ジャズのコンサートが行なわれていたため(月に1回、必ずジャズのコンサートがあるそうです)、マイクを通した音しか聴けなかったのが残念だったのですが、こちらのホールは、木材を使い、つなぎを使わない組み木の原理でできたホールで、音響もたいへん良い作りになっているそうです。次回は、是非、ヨーテボリ交響楽団の演奏会をこの大ホールで聴かせていただければ、と思います。

 私が生まれた年にヨーテボリ交響楽団にお入りになった松尾正代さん。他にも、オーケストラのお話、日本とスウェーデンのコンサート組織のあり方の違い、などなど、たいへん貴重なお話しを沢山聞かせていただきました。

 さて、アンのお家に帰ってから。アンにヨーテボリに古本屋さんがないか質問。インターネットでいろいろ調べてもらったのですが、やっているうちに、ストックホルムの古本屋さんに、図書館で聞いた例のステーンハンマルの伝記全3巻があるのを発見!(→こちらの記事参照)ストックホルムに戻ってから取りに行けばよいよう、アンが即、予約メールを入れてくれました。音楽家の仕事環境の、日本とスウェーデンの違いについて、アンと少しお話し。どちらかが一方的に「善」ではないでしょうけれど、相手の良い部分は取り入れるべき。その中で私個人が日本でもできることって、何かなぁ・・・

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コメント

イェーテボリ(ヨーテボリ)の美術館、コンサートホールのある一角、今でもよく覚えています。
僕が訪ねたのはもう10年以上昔のことですが、美術館は、カール・ラーション等のスウェーデン絵画を観るために、コンサートホールはヨーロッパでも有数の素晴らしい音響だと言う評判を聞いていたので是非訪ねてみたいと思っていました。
まだシーズン前で演奏会は聴けませんでしたが。
ステーンハンマルの交響曲などのレコードを聴いても、ホールの音響の素晴らしさはよく分かります。
横浜にある神奈川県立音楽堂をもう少し大きくしたようなイメージでしょうか。
舞台裏まで見せていただいたなんて羨ましいです。
ステーンハンマル・ホールには気付きませんでした。
う~ん、残念です。
「発泡スチロールのようなお座布団」は、フィンランドのサヴォンリンナ音楽祭でオペラを観た時にも会場にいっぱい常備しているのに気がつきました。北欧諸国では定番なんでしょうか。

>高橋様
あ、あのお座布団、フィンランドにもあるのですか!確かに、よく考えたら、子供は前の人の頭で舞台が良く見えないことって、きっとありますよね。最近は、日本でもファミリーコンサートが増えてきましたが、こういう対策って、やっているところあるのでしょうか?うちの会でも、子供券を作っているので、ちょっと真似してみようかしら・・・

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