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スウェーデン滞在記(14)

3月28日
 さて、スウェーデン滞在も残り2日。この日は、午前中、ペッテション=ベリエル協会の例会で知り合った、ハンスさん、イェッテさん御夫妻のお宅でピアノを練習させていただきました。今回、スウェーデン滞在直後に当会のサロンコンサートが控えていましたが、ヨーテボリからストックホルムに戻ってから、一度もピアノを触っていない状況。ハンスさん御夫妻のご好意には、感謝しています。(欧州では、日本のように時間借りできるピアノ付スタジオ、というのは、めったにありません。)ハンスさんは、文化省関係でお仕事されていますが、バイオリンも趣味で演奏されています。また、ペッテション=ベリエル協会だけでなく、シェーグレン協会や、スウェーデン作曲家の楽譜出版をしている音楽芸術協会 Musikaliska Konstföreningen でも活動をされているそうです。お宅には、ベヒシュタインのグランドピアノがあり、ホームコンサートもされるとか。
 待ち合わせ場所に迎えに来て下さったイェッテ夫人、「昨日、エヴァに会ったんですってね?」と。前日夕方、携帯に待ち合わせ確認の電話を私がした時、音楽学者エヴァ・オーシュトレムさん宅に遊びにいらしていたそうです。(エヴァさんは、私が前日、たまたまコンサート会場で出会った方です。)世の中、狭いものです・・・というより、音楽が人を結びつけてくれているのでしょう。

2010_3_28 ハンスさんのお宅は、ヴァイキングの遺跡が目の前にある、というストックホルムの少し北にあります。(ヴァイキングが活躍していた頃は、海は今よりもう少し陸側まで来ていたそうです)イェッテさんお手製のひまわりの種入りのパン(写真)と、ご自分たちで摘んだブルーベリーのジャムで朝ご飯をいただきながら、色々と音楽談義。スウェーデンの音楽を演奏するにあたり、楽譜をどう解釈したら良いか(どこまで作曲家の意志が反映されているかという問題)に悩む、というお話をすると、ひょっとして、こちらの本が役に立つかも、と音楽芸術協会の150年誌を下さいました。(今、少しずつ読んでいますが、なかなかおもしろいので、いずれ、少し内容をご紹介できれば、と思います。)また、何か質問があったら、と、ステーンハンマルの楽譜を校定した方の連絡先まで教えて下さいました。ハンスさんは、お話ししているだけでも、本当に音楽がお好きなのが伝わって来る方で、次回は、是非、ハンスさんのヴァイオリンも聴かせていただければ、と思います。
 「スウェーデン音楽には、スウェーデン語の響きが深く関係していると思う」という話を私がすると、デンマーク出身のイェッテさんはたいへん面白がって下さり、デンマーク語とスウェーデン語の響きの違いを実演(?)して下さいました。確かに、デンマーク語は、スウェーデン語より固く、力強い感じ。ドイツ語に近い雰囲気でしょうか?スウェーデン作曲家もデンマーク語に歌をつけていたりするのですが、字面はスウェーデン語とたいへん近く音の違いはピンと来ないのですが、実際の会話での音を聞かせていただき、初めてその違いが実感できました。
   
 久しぶりに思いっきりピアノを練習させていただき、リフレッシュした気分で午後はストックホルム市内へ。この日は、当会のサロンコンサート出演経験のあるオスカル・エクベリ Oskar Ekberg さんがピアノを担当される歌曲のコンサートに行って来ました。会場は、Nybrokajen11 のオスカル2世ホール Lokal Oscar II。(ピアニストとの名前の一致は偶然ですね・・・)
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Solveig Faringer (soprano)
Oskar Ekberg(piano)

"フランス人の愛 Franska förälskelser"

Bergerettes: Mes moutons je mène
Que ne suis-je la fougère
Maman, dites-moi
Chanson de Marie Antoinette
Jeunes fillettes
Fauré: Le plus doux Chemin
Chanson d'amour
Debussy: Romance
Mandoline

from Edith Piaf's repertoire
La vie en rose
Hymne de l'amour
Mon manège à moi
Mon Dieu
Fais-moi valser
Non je ne regrette rien
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 会場は、80人ほどのサロン風のスペース。ソプラノのファリンゲル Faringer さんは、スウェーデン語で歌詞の内容を感情たっぷりに朗読してから歌い始めます。オスカルの演奏を聴くのは5年ぶりでしたが、サングレースで聴かせていただいた、クリアな音色は健在で、フランス音楽にぴったり。情感たっぷりに歌うファリンゲルさんに合わせつつ、知的なセンスの光る演奏で、会場を盛り上げました。
2010_3_28a 終演後、改めてオスカルにご挨拶に。久しぶりの再会をとても喜んで下さり、私もたいへん嬉しかったです。彼は、メシアンを得意とされているピアニスト。音色も演奏スタイルも、たいへん合っていると思いますし、是非、いつかメシアンの演奏も聴かせていただきたいと願っています。現在、ルーマン J.H. Roman の12の組曲を全曲、録音中で、近々リリースされるとのこと。ルーマンといえば、3月に当会のサロンコンサートで北田法子さんが取り上げ、好評だった作品です。バッハとほぼ同年代のスウェーデンの作曲家ですが、バッハではありえないような転調やリズムの変化など、ユニークな音楽です。オスカルの録音を聴かせていただけるのが待ち遠しいです。
 日本にも、たいへん良い印象を持っている、というオスカル。また、当会の日本のコンサートでも、再び演奏を聴かせていただける機会があれば、たいへん嬉しいです。なにか、当会メンバーとの交流が活動ができないか、というお話も少しだけさせていただきました。少しずつでも、末永く続く活動をお互い、考えていければ、と思います。
 
 さて、この日はその後、もう一つ、イマヌエル教会 Immanuelskykanでの合唱のコンサートに行って来ました。今回の合唱団は、イマヌエル教会が作っている合唱団 Immanuelskyrkans Vokalensemble。(スウェーデンでは、各教会でも、合唱団を組織していることろが多いそうです。)王立管弦楽団のメンバーを中心とした室内オーケストラも加わる演奏会で、2日前にご一緒したヴィオラのペーテル・エリクソンさん、チェロのクラース・ガッゲさんも演奏される、ということでご招待していただきました。
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『フランスの合唱音楽 Fransk körmusik 』
指揮:Mats Nilsson

F. Poulenc: Quatre motets pour un temps de pénitence
O. Messiaen: O sacrum convivium
M. Duruflé: Requiem Op. 9
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 図らずも、この日は私にとってフランス音楽特集になりました。
 前半がア・カペラ。デュルフレで、オルガンと室内オーケストラが入りました。合唱団はアマチュアですが、この曲目をこなせるレヴェルといえば、だいたい皆様、様子が想像がつかれるかと思います。プログラムも良く、たいへん興味深いコンサートとなりました。ヨーテボリのヴァーサ教会ほど大きな教会ではありませんでしたが、高い天井の教会独特の響きの中で、スウェーデンの合唱の音を帰国前にもう一度楽しむことができ、幸せでした。

 終演後、ヴィオラのペーテルさんは、ヴァイオリンでオーケストラに参加されていた息子さんも紹介して下さいました。「スウェーデンの音楽、好きですか?」と尋ねると、「はい!」とのこと。「じゃあ、2つのセンチメンタルロマンスとか弾きます?」と聞くと「?」。お父様、慌てて「ステーンハンマルの、すっっっごく綺麗な曲なの!」気を取り直し(?)今度は「じゃぁ、ステーンハンマルのヴァイオリン・ソナタは?」息子さん「えっとぉ・・・(汗)」pout(<私)これがスウェーデンでの普通の場面なのだと思います。
 欧州留学中、フランスでスウェーデンのソプラノ歌手に会った際、ステーンハンマルはほとんど歌ったことがないと聞き、がっかりしたことがあります。ところが、彼女からしばらくして、「ステーンハンマルの歌曲を勉強してみたら、もの凄く勉強になった。良い機会をくれてありがとう。」とメールが来たことがありました。私たちも、海外の方から指摘されて初めて日本文化の良さに気づく、ということもよくあります。外から見たからこそ分る、スウェーデン音楽の良さを私たちが発見し、そして、内から見たからこそ分るスウェーデン音楽の良さをスウェーデンの方たちに教えていただき・・・そうした交流が生まれることが、現在、演奏機会がまだ多くないスウェーデン作曲家の作品を「成長」させていくことに繋がるのではないかと思います。
 ところで、帰国後、ペーテルさんからメールがあり、息子さんには良い曲を勉強するように言う、と約束して下さいました・・・というわけで、いつか、ペーテルさんのヴィオラとともに、息子さんのステーンハンマル:2つのセンチメンタルロマンス を日本で聴ける日が来るかもしれません!

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