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スウェーデン滞在記(15)

3月29日
 スウェーデン滞在、とうとう最後の日です。この日は、嬉しい大発見があり楽しく滞在を終えることができました・・・その大発見とは?

2010_3_29 さて、よく考えたら、せっかくのストックホルム滞在なのに、ほとんど街を見ていないことに気づきました。スウェーデン作曲家が、どんな気持ちで作曲したのか、音楽作品を理解するのに街の風景を見ることも大切だったはずなのに、なんとも情けない話です。というわけで、単細胞の私は、てっとりばやく(?)、旧市街・ガムラスタン を見ることに。
 朝早く、地下鉄でガムラスタンに到着。とりあえず、ふらふらと一周りしてみました。中世の面影を残しているということですので、単純に考えれば、名前が残っているスウェーデン作曲家たち、ルーマン以降の人々は、だいたい見たはずの景色なはずです。勝手に一人で即席タイムスリップをした気分で散策。この辺りは、こんな細い道が沢山あります。(玄関のワンちゃんに注目!)とはいえ、15分程度の散歩でスウェーデンの街の雰囲気を体感したつもりになるのは、おこがましいにもほどがあるというもの。スウェーデン音楽の理解の為にも、観光はスウェーデンでしかできない重要な作業だったはずが、うまくスケジュールを組めずに大反省です。次回は、もう少し、スウェーデンの空気を感じられるようにしたいと思います。

 街中に出て、スウェーデンの本屋さんのチェーン店 Akademiebokhandeln で、だいたい目星をつけてあった、瑞伊辞書と瑞瑞辞書を購入。スウェーデン語の辞書は、英語や仏語のように、選択肢が沢山ないのが悩みの種です。せっかく購入した多くの音楽書。いくつかの辞書を読み比べて、少しでもスウェーデン文の内容の真意に近づければ、と思います。既に購入してあった楽譜と、分厚い辞書や音楽書を、郵便局で日本の自宅に郵送。

 とりあえず、ここまで午前中にやり、午後は国立音楽図書館の最後の訪問へ。今回は、ステーンハンマルの声楽曲の自筆譜の閲覧をお願いしてありました。前回の閲覧が、想像以上に面白く、いただいた所蔵リストから、再度、メールで閲覧希望を出しておきました。この日に見せていただいたのは;
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船は行く Det far ett skepp
娘は年老いた母に言った Dotter sade till sin gamla moder
スヴェーリエ (「ひとつの民族」より)Ett folk "Sverige"
幸福の国への旅 Lycklandsresan
ランプのアラジン王子 Prins Aladin af Lampan
薔薇に Till en ros
さすらい人 Vandraren
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出版された楽譜を持参して行かなかったのが残念でしたが、自分がピアノパートを演奏したことがある作品をピックアップしてリクエストしました。
 自分が演奏した時の記憶をたどり、出版譜と違いそうな箇所をメモしていきました。シンプルな伴奏形から効果的な音配置に変わっていく様が分り、興味深い作業です。初稿から書き変えられた箇所は、むしろ、作曲者ステーンハンマルにとって、「そうでないといけなかった」箇所、とも言えるかもしれません。

 スウェーデンの第二国歌と言われる「スヴェーリエ」の合唱譜。こちらは清書された決定稿のようでした。たいへん緻密に書かれた楽譜は、作曲者の性格も窺えますが・・・実は、大発見はその次にあったのです!

 スヴェーリエの楽譜を裏返すと、ペンの走り書きのような楽譜が。「何かしら?」と見てみると、なんと!ピアノ協奏曲第2番の冒頭の草稿でした。一気に書いた気配で、その横に、大きな字で「Ja! (英語のYes)」と書かれています。何か、閃いたのでしょうか?その内容は、この作品が生まれる元・核ともなる可能性があるようにも見えるもの。自筆譜はコピーも禁止されていますし、悩んだ挙げ句、持っていたルーズリーフに、自分で五線を書いて写譜することにしました。
 こちらの内容・・・本当に私にとっては宝のような内容でしたが、それについては、また、改めて詳しく書かせていただこうと思います。

 次回、図書館を訪れる時は五線紙を持って行けばよい、ということがよく分りました。

 ところで、この日の国立音楽図書館での出来事です。ステーンハンマルの自筆譜の資料をカウンターで受け取って、ふと隣を見ると・・・なんと!2日前にコンサート会場で紹介された音楽学者のエヴァ・オーシュトレム先生がいらっしゃる!二人で顔を見合わせて、びっくり。エヴァ先生は、前日のハンスさん宅でもお知り合い、ということで話題になった方です。
 エヴァ先生は、現在、「スウェーデン歌曲の父」と言われているリンドブラード Lindblad の伝記を書かれているとのこと。この日も、リンドブラードの楽譜を借りにいらしていたのでした。
 エヴァ先生は、ご自身の学生たちも、なかなか自分の国であるスウェーデンの音楽に興味を持ってくれないのに、私がその分野に興味を持ったことをたいへん嬉しい、と言って下さいました。前日に、私がピアノ練習の為にハンスさん宅に行ったことを知っているエヴァ先生。「ピアノの練習場所に苦労するのは良く分るので、次回来る時は、私も力になれると思うから連絡して下さい。」と、たいへんご親切なお言葉も頂戴しました。今回は、あまりゆっくりお話しできる機会がなく、残念でしたが、いつか、エヴァ先生とも、ゆっくりお話しさせていただける機会があれば、と思います。

 さて、図書館を出る前に・・・カウンター前に並べてある本や楽譜が気になり「これ、ひょっとして購入できるのですか?」と尋ねると、どうやら古い蔵書を処分する為に一冊数百円で売っていることが分りました。実は、奥にもそのような楽譜の山があることも教えていただき、閉館間際で大慌て。ペッテション=ベリエルなどの歌曲の楽譜と、ベールヴァルド Berwald の伝記、1954年出版のMusikliv i Sverige(スウェーデンの音楽ライフ)という本を手に入れることができました。

 こうして2週間ほどにわたるスウェーデン滞在を終えました。暖かい人間関係のお陰で、思いがけず、本当に多くの貴重な体験をさせていただくことができ、色々な意味で、スウェーデンの魅力を新たに感じる旅となりました。
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 通年のコンサートシリーズの開催をお休みさせていただいている当会ですが、無理ない形での活動を模索しております。今回の主宰者のスウェーデン滞在でできた貴重な人との繋がりも大切に、現在、来年の活動計画も考えているところです。決定次第、またご報告させていただきますので、今後とも、応援よろしくお願い申し上げます!

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コメント

長期連載、お疲れさまでした!
とても楽しく、また、お墓参りのところなどしみじみと、読ませていただきました。
 
これだけの質と量の旅行記、本当に有り難く、公開してくださったことに感謝申し上げます。
 

>斉諧生さま

拙文をお読み頂き、本当にありがとうございます。
なんとも要領悪い&改善の見込がない元来のおしゃべり気質が出て、ダラダラ分りにくい文章になってしまい、お恥ずかしいことこの上ないのですが。
スウェーデンの方々の暖かいご協力で、思いがけず貴重な体験が沢山でき、色々な意味で、また更にスウェーデン・ファンになってしまいました。斉諧生様も、絶対にヨーテボリのお墓参り、いつかいらして下さい!ヴィルヘルム様、お話しされたいことが溜まっていらっしゃると思います!

スウェーデン旅日記とても興味深く愛読させていただきました。
長期に渡り丁寧な記述をありがとうございました。

僕の友人の暮らすフィンランドの小さな町の図書館でも、古くなった蔵書を処分するために、入り口付近に並べていたのに遭遇したことがありました。記憶では殆んどただ同然で売っていたような。北欧の図書館ではよくあることなのかもしれません。
自宅にMusical Life in Swedenという以前ストックホルムで買って帰った本があったのを思い出し、もしやと思い確認してみましたが、こちらは1987年に発行されていて、もともとスウェーデンの音楽について外国の人々に紹介する目的で書かれた本でした。著者の中には1953年生まれの方も含まれています。

ステーンハンマル友の会の活動、今後も楽しみにしています。

>高橋さま
コメントありがとうございました。反応が遅くて、申し訳ありません。
拙文をお読みいただき、いつも丁寧なコメントを下さりありがとうございました。
Musikliv i Sverige は、スウェーデンの学校での音楽教育、音楽教育機関、コンサートの環境、アマチュアの音楽活動など、スウェーデンの人の音楽との関わり方に関する本のようで、スウェーデン音楽に関する内容ではないようです。

ステーンハンマルの協奏曲第2番の自筆スケッチに関することも、また改めて書かせていただきたいのですが・・・なかなか書く時間がとれず。近いうちに記事を書かせていただければ、と思います!

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