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カテゴリー「文化・芸術」の13件の記事

トーマス・トランストロンメル

11月27日(日)に開催する「スウェーデン音楽の調べ Vol.7」は、歌曲の特集です。
今回、このコンサートの中で、モーリス・カルコフ氏による「3つのロマンス 作品239」を世界初演させていただきます。
 この作品ですが、3つのうち、最初の2つの歌曲の歌詞は、トーマス・トランストロンメル(トランストローマー)によるものです。トランストロンメルは、今年のノーベル文学賞の受賞者。日本の俳句の形式にのっとり、3行からなる詩集「Haiku」を書いていて、この歌曲の歌詞も、その中からとられています。

 このトランストロンメル氏、ピアノもお弾きになり、なんと、モーリス・カルコフ氏の作品を初演も何曲かしています。下記で彼の演奏も聴けます!
earT. トランストロンメルによる自作の詩「Allegro」の朗読とZdnig Fibichiのピアノ曲の演奏

この「Allegro」も素敵な詩で、英語訳、みつけました。
eye T. トランストロンメル:Allegro の英語訳

演奏者の胸の内(2)

 9月25日の「スウェーデン音楽の調べ Vol. 6」を最後に、今年度予定されている当会のコンサート活動も終了致しました。多くの方にコンサートに足を運んでいただき、たいへん感謝しております。誠にありがとうございました。

 さて、その「スウェーデン音楽の調べ vol.6」開催前に、演奏者の胸の内(こちら→)という気持ち悪い図を描かせていただきましたが。コンサートにいらして下さった方には、この意味、なんとなく感じていただけたでしょうか?

 これは、とても個人的“感覚”なので、言葉にしてしまったら身も蓋もないのですが。私の感覚では、音楽家が「表現したいもの」があり、「表現したいと思う心」があった場合、その間にある「音」の位置、というのはそれぞれの音楽、作曲家によって、違うと感じるのです。なんとなく音楽は心に近ければ近いほど漠然と“良い”ような気もしてしまいますが・・・でも、その心って、音楽の作り手なのか、聴き手なのか。世の中には、あまりに音楽の作り手の心に近すぎるが為に、聴き手の心からは遠くなってしまう音がある気もします。(もちろん、聴き手の心から遠いと“悪い”わけでは断じてありません。)
 音楽にはそれぞれ個性があり・・・そんな音と心の距離感も、個性のひとつだと思います。そして、面白いことに、その距離感というのに御国柄も出る気がするのです。

 その辺り、今回は、スウェーデンの音楽だけでなく、敢えてフランスの音楽も並べてみましたが、なんとなく違いの面白さを感じていただけたなら、演奏者としてはたいへん嬉しいです。もちろん、聴いて下さった方それぞれの感じ方が、私の気持ち悪い図と全く違っても、それはそれで良いのです。

音楽祭開催!

来年の新企画についてお知らせです。
当会が「スウェーデン音楽の紹介」とともに「クラシック音楽全般の普及」を目指して毎月一回のペースで企画してきたサロンコンサート・シリーズ。暫くお休みをいただいておりましたが、毎月楽しみにして下さっていた方から「初めてクラシック音楽の楽しみ方を知ったのに、なくなってしまうのは残念」「毎月、楽しみにしていたので、充電したらまた再開して下さい」などのお声を沢山いただきました。

 どうにか、同じような形のコンサートが続けられないか、色々、考えさせていただきましたが、来年、サロンコンサートの拠点としていた東京都府中市を舞台に、10日間ほどの音楽祭を計画しております。
 会場は、いつもサロンコンサートで使用していたミュージックサロン・サングレースの他、府中の森芸術劇場などの他の施設、喫茶店など、バラエティーに富んだ形で、様々なタイプの方々に、色々な視点からクラシック音楽を楽しんでいただける企画にしたいと思っております。

 期間は、2011年6月4日〜13日
 期間中に、6〜7回のコンサートを予定しています。

 出演予定者
 [当会正メンバー]
 和田記代(ピアノ)
 荒井絵梨(バイオリン)
 鈴木千保(バイオリン)
 向野由美子(メゾ・ソプラノ)

 [スウェーデンからのゲスト]
 ミカエル・ホルムルンド(ピアノ)
 pencil当音楽祭の為にスウェーデンから来日airplane

 [新人ゲスト]
 久保静(バイオリン)
 pencil当会のフレッシュコンサートで大好評だった期待の若手shine

 音楽祭形式とする利点として、通年のコンサート・シリーズと違い、時期限定で準備ができること、そして、複数の出演者が、短期間に纏まることで、バリエーションをもった編成でのコンサートが可能になる、と考えています。最初は、規模は小さいものになると思いますが、末永く続けることで、少しずつ育てていければ、と思っておりますので、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

flairところで・・・・実は、こちらの音楽祭、タイトルがまだ決定しておりません。かっこ良い音楽祭のタイトルを募集中です!クラシック音楽が中心の音楽祭であること、知られざるスウェーデンの音楽も曲目に入っていること、場所が府中であること・・・それが一目で分る(?)、多くの人が思わず足を運んでしまうような魅力的なタイトル、思いついたら、是非、当会まで!

スウェーデン滞在記・番外編

 前回の記事で、Kammarmusikens vänner i Allhegonakyrkanという演奏会企画団体のお話をしました。スウェーデンには、コンサートホールは、大きな街にも数カ所しかありませんが(これは、欧州のどの国でも言えることで、日本ほど施設の整った演奏会専門会場が沢山ある国を、私はまだ見たことがありません。)、教会などを会場とした小さなコンサートシリーズが沢山あります。
 スウェーデンは、イースターやクリスマスなどが国の祝祭日となる、キリスト教の国ですから、教会が沢山あり、教会自体が定期的にコンサートを開催しているところも多いです。(私がヨーテボリで演奏させていただいたコンサートは、このタイプのコンサートです。)他にも、音楽愛好家たちが企画した小さなコンサートシリーズ、夏の音楽祭なども沢山あり、教会、昔の邸宅(お城?)など、様々な場所が演奏会会場として使われているようです。
 例えば、インターネットのサイトで見つけて、私が個人的にたいへん興味を持っているのは、Jernboåsens kammarmusikförening(イェーンボーセン室内楽協会)という組織です。鉄道も通っていない本当に小さな村で、教会や学校、30人ほどの小さなサロンなどを会場に演奏会を行なっているようです。内容は、驚く程充実しています。実は今回、スウェーデンに行く前にこちらの主宰者ともメールでやりとりをさせていただき、できたらお話を伺いに行きたかったのですが、実現できず、残念でした。経済的理由で、一時、演奏会企画が滞っていると聞いていましたが、ウェブサイトを見たところ、また再開しているようなので、次回は、こういった小さな町のコンサートも視察に行くことができれば、と思っております。

スウェーデン滞在記(13)-2

3月27日(その2)
 さて、ヴィルヘルム様のストークはひとまず終了。前日に教えてもらった、楽譜屋さんへ。ストックホルムにただ一つの楽譜屋さん、と言われるアウロスAulos は、セーデルマルム島にあります。ヨーテボリのProcuraと同じく、やはり、作曲家の名前のアルファベット順に整理してあるものの、楽譜は横積み。しかも、こちらの楽譜屋さんは、ちょうど見やすい位置にはポピュラー系、ジャズ系の楽譜を並べてあり、クラシック系のほとんどは、足下と、脚立を使わなくては手が届かない高い位置に置いてあります。その上、本棚が壊れそうで(手作りらしく、棚のサイズが微妙に合っていない)、見にくい+楽譜を壊しそう(?)でまるで宝探しの気分。楽譜をかかえてレジに向かうと、店員さんに「Did you enjoy?」と言われました・・・(いや、エンジョイというか、苦労しました。)スウェーデンの首都にただ一つの楽譜屋さんと言っても、はっきり言って、お目当ての楽譜を定めてお店に行くと、おそらくがっかりすると思いますが、目的を決めずに物色するのであれば、日本ではまとめて手に入れることは難しいと思われるスウェーデン作曲家の楽譜を見つけることができます。今回は、弦楽器作品を中心に、ペッテション=ベリエルのバイオリンソナタや、ステーンハンマルの弦楽四重奏曲第2番、第3番などを購入することができました。
 
 この日は、12年前、初めてストックホルムにスウェーデン音楽の楽譜探しに訪れた際、国立音楽図書館で知り合ったビルさんとランチのお約束がありました。ビルさんは、現在は既に定年退職をされていますが、これまでも、当会のコンサートの為の楽譜を送って下さったり、いろいろお世話になっている方です。約束の場所へ行くと、ビルさんは、スウェーデンの音楽事情の話を聞けるのでは、とご友人の音楽評論家 ビルギッタ・フルトさんも誘って来て下さっていました。フルトさんは、音楽評論をお書きになる他、コンサートの前にプログラム解説トークをされたり、KVAH - Kammarmusikens vänner i Allhegonakyrkan (室内楽友の会・・という感じでしょうか)というコンサート企画の委員もされています。
 実は、私もウェブサイトでKVAHは見ていて、たいへん興味を持っていたため、お話を聞くことができ、本当に幸運でした。こちらのコンサートは、音楽監督をベングト・フォシュベリBengt Forsberg(日本では、メゾのオッターのピアニストとして知られています)が務めています。伺ったところによると、運営委員のほとんどは、音楽と全く関係のない仕事をしている音楽愛好家たち。フォシュベリ氏には、演奏はもちろん、演奏会内容企画、そして出演する演奏家の紹介をやってもらっているものの、実際の運営の作業自体は、演奏家には一切してもらっていない、とのことでした。基本的に月一回のコンサートで、夏のフェスティバルもあります。会場は、教会にお願いして無料で使わせてもらえるようにできたそうです。フォシュベリ氏は自身の膨大な知識からのアドバイスをされると同時に、委員たちの意見にも耳を傾け、ご自分の利益とは一切関係のない立場で芸術監督を引き受けていらっしゃり、その結果、良いコンサートシリーズができているそうです。内容を充実させるよう努力しているので、出演者たちも出演料が安くても快く演奏をしてくれる、とおっしゃっていました。(と言っても、具体的に伺ったところ、この規模の演奏会としては、出演料は日本の相場と比べると決して安くはありませんでした。)ジョイントのコンサートで若手演奏家に出演をしてもらい、たいへん良い演奏をしてくれたので、次回はリサイタルを、ともちかけることもあるそうです。残念ながら、私の滞在中は予定が合わず、こちらのコンサートシリーズを聴くことができなかったのですが、ウェブサイトなどで内容を見るかぎり、プログラム内容も充実し、出演者たちのレヴェルもかなり高いことが想像される演奏会シリーズ。規模的に、当会にとって、たいへん参考になる演奏会組織だと思います。

 他にも、フルトさんが音楽評論を書いていらっしゃる媒体についてお聞きしましたが、スウェーデンでも、新聞のクラシック音楽に関する記事のスペースは少なくなり、クラシックの音楽評論記事を載せる媒体というのは減って来ているのが現状だそうです。また、スウェーデンでは政権が替わり、国のコンサート・マネージメント機関である Rikskonserter をなくす方針になってしまったそうです。こちらの機関は、クラシックはじめ、様々なジャンルの音楽家の国内ツアー、そしてスウェーデン国内の音楽家の海外ツアーの企画をし、たいへんな成果を上げていたはずが、今後は、こうした文化活動は地方がそれぞれでやる方針となったようで、フルトさんはとても残念だ、とおっしゃっていました。(実は、ヨーテボリで聴いたブロドスキー弦楽四重奏団の演奏会も、Rikskonserter によるツアーの一環でした。)私も、特定のジャンルに偏らない、音楽文化を全体的に捉えた形でコンサート企画をし、Nybrokajen 11というホールも所有、CDレーベル Caprice とも連係した事業を国がやっている、というRikskonsert の活動にたいへん興味を持っていて、今回、こちらの活動についても詳しく知りたいと考えていたため、無くす方針と聞いて、たいへんなショックでした。

さて、こうして思いがけずたいへん有意義なお話しを聞きながらのランチが終わり、まだまだこの日は続くのですが・・・長くなりましたので、続きはまた次の記事で。

スウェーデン滞在記(12)

3月26日
 朝、ウプサラからストックホルムへ。この日は、日本で知り合ったヴィオラ奏者 ペーテル・エリクソンさんに、ストックホルム王立管弦楽団 Kungliga Filharmonikerna の子供達の為のコンサートに入れてもらうことになっていました。会場は、ノーベル賞の授章式も行なわれるコンサートハウス Konserthuset の大ホール。ストックホルム王立管弦楽団の定期公演が行なわれているホールです。会場に向かうと、小学校から来た小さな子供達(日本でいう小学一年生)が二人ずつ手を繋いで二列に並んでホールへ入っていきます。皆、楽しそうに引率の先生たちに先導されて歩いていました。
 プログラムは45分ほど。着ぐるみを来た3人の役者たちが、物語風に舞台をつくり、楽器を紹介しながらコンサートが進みます。6歳の子供達は、役者たちが何かする度に多少ざわつくものの、先生達に「シーッ!」と言われると、素直に静かになり、かなりお行儀よく席に座っていました。役者たちが「楽器の真似をしましょう!」と呼びかけると、夢中でバイオリンを弾く真似をしたり、太鼓をたたく真似をしたり、生き生きとコンサートを楽しんでいました。コンサートが終ると、拍手喝采で、オーケストラの生演奏をコンサートホールで聴き、大興奮のようでした。この日は、学校から団体で来た子供達の為に、午前中2回の公演。次の日は、ほとんど同じプログラムで、一般公開のファミリーコンサートが行なわれたようです。

 終演後、ペーテルさんが席まで迎えに来て下さり、舞台裏へ。そこに、どこかで見たことがある青年が赤ちゃんをおぶっている姿が・・思い切って「あのぉ、ピアニストのオスカルですよね?」と声をかけると、まさしく彼!5年前、当会のサロンコンサート・シリーズに井尻愛紗さんとのピアノデュオでご出演下さったオスカル・エクベリ Oscar Ekbergさんでした。コントラバス奏者の奥様がこの日の公演にエキストラで演奏されていて、オスカルは6ヶ月のお嬢様と迎えに来ていたのでした。ずっと連絡もとれていなかったので、思いがけない再会にびっくり。実は、二日後にオスカルの出演するコンサートを見つけてあり、チケットも予約してあったので、「コンサート楽しみにしています!」と言って別れました。

 ペーテル・エリクソンPeter Erikssonさん、そして同じく王立管弦楽団のチェリスト、クラース・ガッゲ Klas Gaggeさんと軽いランチ。スウェーデンの音楽家だからと言って、必ずしもスウェーデン音楽に詳しいとは限らないのですが、お二人は、スウェーデンの室内楽作品にも造詣が深く、いろいろお話しさせていただき、たいへん楽しかったです。とくに、チェロのクラースさんは、ステーンハンマルの弦楽四重奏はもちろん、ご自身の地元イェヴレGävle出身の作曲家 B. リンデ Bo Linde や、スウェーデンでも演奏機会が少ないと思われるL. ヌーマン Ludvig Norman の室内楽作品も演奏されるとのこと。「ステーンハンマルは偉大な作曲家だけど、彼の交響曲はヌーマンの交響曲からも影響を受けていると思う。」とおっしゃっていました。「日本ではヌーマン演奏していただけないのですか?」と言うと、「そんな機会があったらもちろん嬉しいけれど。」とのこと。「ヌーマンのピアノ四重奏曲はCDで聴いて大好きなので、一度、演奏してみたいのですが。」と言うと、ヴィオラのペーテルさんが「ピアノが入る室内楽曲といえば、ステーンハンマルの1楽章だけあるピアノ四重奏も美しい曲だよね。そうだ、日本でスウェーデンの室内楽フェスティバルしたらいいじゃない!」と。スウェーデンの演奏家と私たちのアンサンブルで、本当にそんなことが実現できたら、嬉しいものです!(運営スタッフ、熱烈歓迎募集中!)このように、私たちの活動にも関心を持って下さり、本番とリハーサルの合間を縫って、有意義な会話におつきあい下さったお二人には、感謝致します。

 その後、せっかく町中に出て来たので、買い物を・・・と思い、CDショップなどを探すも、12年前にあったはずの大きなCDショップ Megastore が見つからない!仕方なく、国立音楽図書館に寄ることに。Kia Hedellさんがたまたま受付にいらしたので、ストックホルムにあるCDショップを聞いてみました。彼女によると、インターネットのダウンロードが普及したこともあり、ストックホルムのCDショップはどんどんなくなっているそうです。彼女も良く分らない、ということで、図書館に資料閲覧に来ていたおじさまに尋ねることに。すると、Megastore は、つぶれたのではなく、移転したとのこと。地図で、どこにあるか教えていただきました。せっかくなので、楽譜屋さんも尋ねると、ストックホルムに唯一(!)ある楽譜屋さんの場所も教えて下さいました。
 確かに、12年前にストックホルムに来た時は、街を歩いていると、小さなCDショップや楽譜屋さんに偶然行き当たり、色々なお店を覗くことができたのですが、今回は、そういったお店に行き当たることは全くありませんでした。インターネットで便利になるのは良いことですが、手で触って目で見て物を選べなくなるのは、少し寂しい気もします。

 さっそく、教えてもらったCDショップ、Megastoreへ。デパートNKの裏手の通りMäster Samuelsgatan、本屋さん Akademibokhandeln の隣です。以前よりかなり小さくなったものの、クラシック・コーナーには、「スウェーデン音楽」の棚もあり、棚ごと持って帰りたい心境に。どうにか購入できるだけの数を選んでレジへ。こちらのお店、12年前にはTax Free ができたのに、できなくなっていてかなりショック。
 
 大量のCDをぶらさげて、王立オペラ劇場へ。チャイコフスキーの音楽を使ったバレエ「オネーギン」を鑑賞。2010_3_26
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『オネーギン Onegin』
音楽:Pjotr Tjajkovskij
振付:John Cranko
指揮:Yi Zhang

Onegin: Dragos Mihalcea
Lenskij: Oscar Salomonsson
Tatjana: Marie Lindqvist
Olga: Jurgita Dronina
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右は、オペラ劇場天井です。オペラ座設計図を持っている天使に注目!さりげないユーモアを感じる絵です。

スウェーデン滞在記(10)

3月24日
2010_3_24 この日は、王立オペラ劇場 Kungliga Operanの資料を見せていただきました。日本からメールで問合せをし、この日の朝10時に行くことになっていました。指定された入口から入り、受付に名前を言うと、まもなく、メールで何度かやりとりさせていただいた担当の方が来て下さいました。「何を調べたいのかしら?」と聞かれたので、「ステーンハンマルの時代のオペラ劇場のレパートリーを知りたい」旨、お願いしました。担当の方は、ちょっと考えて、「こんなので役に立つかしら?」と、王立オペラ劇場でプレミエを行なった演目の記録集の本を出して来て下さった後、年代順にファイリングしてある公演ポスターのコピーが置いてある本棚に案内して下さいました。そんなものを見せていただけるとは思わなかったので、大喜び。そこは、楽譜を揃えたり、コピーしたり、それを取りに来るスタッフ(合唱団員?)がいたり、と様々な事務的作業をしているところでしたが、その一角に、私が資料を閲覧できるスペースも作っていただきました。というわけで、調査開始!
 まずは、ステーンハンマルが登場しそうな1900年近辺のポスターをチェック・・・1898年に名前を発見。1898-99,1899-1900,1900-01のシーズン、そして1924-25のシーズンのポスターを一枚ずつ見て、ステーンハンマルが指揮をした演目と日にちをチェックしました。ご興味がある方は、彼が指揮をした演目とその回数を下記に纏めましたので、ご覧下さい。(ただし、一回だけチェックし、見直していないので、多少の数え間違いがあるかもしれません。ご了承下さい。でも、だいたいの様子はお分かりいただけると思います。)
「1898-1899年シーズンの記録」をダウンロード
「1899-1900年シーズンの記録」をダウンロード
「1900-1901年シーズンの記録」をダウンロード
「1924-1925年シーズンの記録」をダウンロード

 さて、今回のポスター閲覧で、私が思わず「うわ!」と独り言を叫んでしまったコンサート曲目は、下記のものです。
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●1925 年1 月16 日「スウェーデン・コンサート Svensk Konsert」
(指揮:W.ステーンハンマル)
ベールヴァルド F. Berwald:歌劇『ソリアのエストレッラ Estrella di Soria』への序曲
アウリン T. Aulin:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ハ短調 (ヴァイオリン:Gösta Björk)
ルーセンベリ H. Rosenberg:教会シンフォニア Sinfonia da chiesa 作品17
ステーンハンマル W. Stenhammar:カンタータ『歌 Sången』
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このブログを見て下さっている方々にとっては・・・想像するだけで、鳥肌が立ちそうな演奏会ですよね!タイムマシンが欲しい、と切実に願うのは、こういう時です。

ポスターをチェックしていて、一つ気になったことがありました。1898年〜1901年の間のポスターでは、指揮者の名前の前にタイトル(肩書)が書かれているのですが、ステーンハンマルの名前の前は、Hofkapellmästare(宮廷楽長)ではなく、単なるHr(英語のMr.にあたる)であることです。(1924-25年のポスターでは、指揮者の表示は全員、名前のみで、タイトル表示はありませんでした。)その部屋にいた方々に、この表示の違いを聞いてみましたが、誰もはっきりしたことが分りません。おそらく、Hr. の場合は、常任指揮者でなく、ゲスト(客演)だったのでは?ということで、担当の方が王立オペラ劇場のメンバーリストを出して来て下さいました。
 それを見ると、ステーンハンマルは1898-1900の間は、おそらく客演だったと思われますが、1900-1901年のシーズンは、王立オペラ劇場に指揮者として雇われていることになっていました。ただし、3人いる指揮者のうち、名前は一番下。下記は、リストに書かれていた指揮者の名前です。
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●1900-1901年の 指揮者(楽長) Kapellmästare
Nordqvist, C. (Förste Hofkapellmästaren 第一宮廷楽長)
Henneberg, R. (Hofkapellmästaren 宮廷楽長)
Stenhammar, W. (Hr)
※( )内は、ポスターに書かれていた名前の前のタイトル
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そして、リストの中に次にステーンハンマルの名前が出て来るのは、1924-25年のシーズン。
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●1924-1925年の 指揮者 Kapellmästare
Järnefelt, A
Grevillius, N
Stenhammar, W. (extra)
※この(extra)は、メンバーリストの中に書いてありました。“エキストラ”ということですので、代理、非常勤、という感じでしょうか?
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後日、王立オペラ劇場の公演にも足を運びましたが、こちらの最上階ホワイエにある代々の指揮者たちの肖像画の中に、ステーンハンマルの姿は見つけられません。それは、彼が一回も「第一宮廷楽長(指揮者)」になっていないからだったのです。

結局、気づくと4時間以上、ノンストップでポスター集に見入っていました。まだまだ見たいものもあったのですが、次の約束もあり、仕方なく中断。1901〜1924の間をチェックすることができず、たいへん残念でしたが、また次の機会に。でも、ポスターの文字を見ていると、当時の様子のイメージも湧いてきて、ステーンハンマルがどのような音楽作品の指揮をしたのかを知った事は、今後、彼の音楽作品を音にする上で、大きな助けになると思います。

この日は、その後、10年以上前に宿泊したホテルのレセプションにいた女性にランチのご招待を受けていました。彼女は、私がスウェーデン音楽の資料探しにスウェーデンに来たことを知って、その後も、北欧音楽関係のテレビ番組の録画ビデオを何度か送って下さったり、いつもたいへん親切にしていただいていました。人間の繋がりというのは、本当に楽しく、貴重なものです。

その後、メールで予約してあったBo Wallner のステーンハンマルの伝記全3巻を取りに古本屋さんへ。このお店、なんと、水曜日〜金曜日の午後4時〜6時しか開いていません。ここまでピンポイントでしか開いていないお店はあまりないかもしれませんが、でも、アンティークのお店は、午後しか開いていないところが多いようです。予約した本は、たいへん状態の良い本で大満足。

夕方は、ベルヴァルドホール Berwaldhallen へ、スウェーデン放送交響楽団のコンサートを聴きに。この日のプログラムは;
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マルティヌー:オーボエ協奏曲
メンデルスゾーン:交響曲 第3番『スコットランド』
(指揮:Krzysztof Urbanski オーボエ:Jakob Koranyi)
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 1時間強の、わりと短めのプログラムで、休憩はなしでした。どうやら、スウェーデン放送交響楽団の定期演奏会は、金曜日〜週末は少し長めのプログラム(おそらく休憩も入れると思います)、その他のウェークデイの夕方の演奏会は短めのプログラムで行なっているようです。今回のスウェーデン滞在では、多くの演奏会に行きましたが、比較的、プログラムが短い演奏会が多かったように思います。ヨーテボリで会ったギタリストのマーティンも「今日、前半40分、後半40分の曲目でやったら、少し長いと言われちゃった。東京やロンドンだったら、全く問題ないけれど、スウェーデンだと、ちょっと長かったかな。」と話していました。11年前、12年前に私がスウェーデンを訪れた時には、感じなかった点なので、これも、ひょっとすると最近のスウェーデンの傾向かもしれません。
 ウィークデイの夜でも、次の日の仕事の為の体力のことを気にせず、お客様に「楽しむ」為にコンサートに足を運んでいただく為に、プログラムの長さについても工夫することも、演奏会企画の上で1つのポイントかもしれません。

スウェーデン滞在記(8)-1

3月22日(その1)
この日は、アンと一緒にヨーテボリにあるステーンハンマルのお墓参りに行って来ました。
ステーンハンマルのお墓があるのは、 Mariebergskyrkogården (マリーベリ教会墓地)。ヨーテボリにある、というので、二日前のM. フォーゲルさんたちとの夕食会で皆に場所を聞いたのですが、誰も知りません。アンに聞いてみると、「知ってるわよ。小さいところなので、皆、知らないと思うけれど、私は近くに住んでいたことがあるから。」とのこと。彼女もステーンハンマルのお墓があるらしい、という話だけは聞いたことがあったけれど、行ったことがないので、一緒に行ってくれることなりました。
2010_3_22
 さて、そのMariebergskyrkogården はMajorna地区にひっそりとある小さな教会墓地。(教会墓地といっても、教会はそこにはありません。)中に入ってみても、とくに有名人の墓地について何か書いてあるわけでもありません。仕方なく、かたっぱしから見て行くことに。そして、一番奥にやっと見つけたのが、上のお墓。尊敬する作曲家に、しっかりご挨拶をさせていただきました。
2010_3_22a_2 アンが「良い物持って来たのよ!」と取り出したのは、魔法瓶に入れた暖かいコーヒーとお菓子。「ステーンハンマルと一緒にお茶しようと思って。」3人(?)で暫し談笑。
2010_3_22b_3お墓のすぐ後ろにある木は、お墓を屋根で覆うように枝を張っています。この木が、毎年芽吹き、葉をつけ、実を落とす・・・と思うと、なんだかステーンハンマルの命がずっと続いているような不思議な気持ちになります。

2010_3_22c ステーンハンマルが今、眺めている風景です。この頃は、さすがに降るとしたら雪ではなく雨でしたが、それでもまだ積もった雪が残っていました。

 この日から泊まりがけでお仕事に出かけてしまうアンとは、ここでお別れ。車の中で、将来の活動について少し相談。当会のサロンコンサートで好評だったアン・エルキェー Ann Elkjärさんのフルート、また日本で聴かせていただける機会があれば、と思います。

 さて、この日は、久しぶりに会う友人とのランチの約束がありました。その友人、ピアニストの ミカエル・ホルムルンド Mikael Holmlundさんです。彼とは、11年前、とあるドイツの国際コンクールで出会いました。繊細な音に歌心のあるメロディーラインの演奏が印象的で私が声をかけたのがきっかけ。

 11年ぶりだったにも関わらず、音楽の話はもちろん、サッカーや冬期オリンピックの話など、あっという間に時間が経ってしまいました。もちろん、スウェーデン音楽についても、話は盛り上がったのですが、「家に来れば、いろいろなスウェーデン作曲家の楽譜を見せられるから」というわけで、次の日は彼のお家にお邪魔することになりました。この日は、夜は彼が合唱団員(!)として参加する教会でのコンサートがあり、私も聴きに行く予定だったのですが、彼は用意があるので昼食後に一旦、別れることになりました。私は、ミカエルにもコースをアドバイスしてもらい、コンサートまで街をお散歩することに。小雨が降っていたので、「こちらに来てから、天気がずっと悪くて残念。ヨーテボリの青空も見たかったな。」と言うと、「でも、ヨーテボリって、こんな天気が多いけどね。」とミカエル。ステーンハンマルも、こんな空を見ていたのかしら?と思いながらのお散歩に出発。
 教会での合唱コンサートについては、また次の記事で。

スウェーデン滞在記(7)

3月21日
2010_3_21 ヨーテボリの二日目。アンの手作りお魚料理でランチをいただき、その後、この時期にしか食べられないスウェーデンのお菓子 セムラ Semla 作り。このお菓子については、また改めて書かせていただきます。(写真はアンのお嬢様、オルガちゃんとセムラ)
 午後は、ヨーテボリ美術館 Göteborg Konstmuseum を訪れました。美術館の正面向かって左奥は、前日に訪れた演劇・音楽大学、その手前は市立劇場 Stadsteatern そして右隣はヨーテボリ交響楽団 Göteborgs Symfonikerが本拠地としているコンサートハウス Konserthuset があり、この一帯が文化地区のようになっています。
 夕方、前日のコンサートで初めてお会いしたヨーテボリ交響楽団のハープ奏者、松尾正代さんと、コンサートホール前で待ち合わせ。残念ながら、私のヨーテボリ滞在中に、ヨーテボリ交響楽団の演奏会はなかったのですが、この日は、「ステーンハンマル・ホール Stenhammarsallen」という名の小ホールで、イギリスから来たブロドスキー弦楽四重奏団の演奏会がありました。どんな演奏をするかも知らない四重奏団だったのですが、松尾さんも無理矢理お誘いしてしまいました。
2010_3_21a
 さて、ステーンハンマルの名がついたホールは、劇場型の2階席が少しだけある400人弱のこじんまりとしたホール。客席と舞台が近い印象。満席に近いお客様たちが、室内楽の演奏を聴くのをワクワクしながら待っている雰囲気でしたが、松尾さんは、「年配の方々ばかりだけど、本当は学生たちももっと聴きに来るべき」とおっしゃっていました。このジャンルの音楽文化を末永く活性化させるのに工夫が必要なのは、日本が「本場」と呼んでいる欧州でも、状況は私達が想像しているほど変わらないのかもしれません。でも、私は小学生くらいの子供達が何人か一緒に、興奮気味で聴きに来ているのを発見。お母様らしき方が、どこからか発泡スチロールのようなお座布団を持って来たので、松尾さんに何かお聞きすると、子供は座高が低く、前が見にくいので、座高を高くする為のお座布団がホールに用意してあるそうです。次に繋がる若いお客様を開拓する工夫、やっぱりホールもいろいろ考えているのですね。
 松尾さんのお話しですと、ヨーテボリ交響楽団では、毎年、子供の為のコンサートを企画するそうです。低学年用、中学年用、高学年用、中学生用、とプログラムをかえ、子供達を学校からコンサートホールに招待するそうです。正式なコンサートホールでコンサートを聴く、というのは、子供達にとって、とても良い経験になるに違いない、と松尾さんはおっしゃっていました。でも、スウェーデンでは、普通の公立小学校に「音楽の授業」というのがないそうです。ですので、五線紙の楽譜の読み方を習ってみたことがない、という人が沢山いて、それはたいへん残念だ、とおっしゃっていました。日本に多くのアマチュア・オーケストラが存在するのも、一応、皆、学校で五線譜に触れてみる経験があるからで、スウェーデンでは考えられない、というお話しでした。
 さて、この日のブロドスキー弦楽四重奏団 Brodsky Quartetのコンサート曲目は;
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ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第1番
プッチーニ:Crisantemi
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第6番
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第15番
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ショスタコーヴィチが終ったところで、演奏者より、英語でちょっとしたお話がありました。「今回、私たちのコンサートは『生と死』がテーマです。ショスタコーヴィチの曲は、彼の若い時期の生き生きとした作品。そして、今から演奏するプッチーニの作品は、突然亡くなった友人の死を悼んで彼が一晩で作曲した曲。続いて演奏するメンデルスゾーンの曲は、作曲者が姉の訃報を聞き、書かれた曲です。」とのこと。松尾さんに尋ねたところ、スウェーデンではこの様に、演奏会の合間にトークが入るものは珍しくないそうです。確かに、この後、私も様々なコンサートに行きましたが、演奏会の流れを壊してしまうほどしつこくもなく、でもちょっと舞台で誰かが挨拶程度に話をする、というコンサートがたいへん多かったです。10年以上前にスウェーデンを訪れた時には、あまり記憶していない光景で、もしかすると、お客さんを舞台に惹き付ける為の最近の傾向なのかもしれません。
2010_3_21b カルテットのコンサートが終った後、松尾さんに、普段、ヨーテボリ交響楽団のコンサートが行なわれている大ホールも少しだけ覗かせていただきました。左は、大ホールのロビーで見つけたプレート。内容を要約すると「コンサートハウスは1905年2月に建てられ、1928年1月に火事で焼け落ちた。・・・・ステーンハンマルとアウリンが指揮者として活動した。」と書かれています。2010_3_21c右は、ステーンハンマルの横顔。はい、良い男です。松尾さんに、舞台裏にまで忍びこませていただき、ちょっとお得な気分。楽団さんが飲んでいるコーヒーまでいただいてしまいました。この日は、ジャズのコンサートが行なわれていたため(月に1回、必ずジャズのコンサートがあるそうです)、マイクを通した音しか聴けなかったのが残念だったのですが、こちらのホールは、木材を使い、つなぎを使わない組み木の原理でできたホールで、音響もたいへん良い作りになっているそうです。次回は、是非、ヨーテボリ交響楽団の演奏会をこの大ホールで聴かせていただければ、と思います。

 私が生まれた年にヨーテボリ交響楽団にお入りになった松尾正代さん。他にも、オーケストラのお話、日本とスウェーデンのコンサート組織のあり方の違い、などなど、たいへん貴重なお話しを沢山聞かせていただきました。

 さて、アンのお家に帰ってから。アンにヨーテボリに古本屋さんがないか質問。インターネットでいろいろ調べてもらったのですが、やっているうちに、ストックホルムの古本屋さんに、図書館で聞いた例のステーンハンマルの伝記全3巻があるのを発見!(→こちらの記事参照)ストックホルムに戻ってから取りに行けばよいよう、アンが即、予約メールを入れてくれました。音楽家の仕事環境の、日本とスウェーデンの違いについて、アンと少しお話し。どちらかが一方的に「善」ではないでしょうけれど、相手の良い部分は取り入れるべき。その中で私個人が日本でもできることって、何かなぁ・・・

スウェーデン滞在記(6)-2

3月20日(その2)
 ハーガ教会のコンサート終演後。コンサートにいらして下さった藤本里子さん、田中さん、そして田中さんのスウェーデンのお友達と皆でお茶を飲みに行きました。田中さんは、当会のサロンコンサートに出演されたことがあるアン・エルキェーさん(fl)とマーティン・フォーゲルさん(g)のご友人。現在、スウェーデンに留学中です。そして、藤本里子(Satoko Berger)さんは、スウェーデンにお住まい、ムジカ・レディヴィーヴァ Musika Rediviva というレーベルで古楽を中心としたCD制作など、様々な活動をされています。里子さんのブログ「北欧からコンニチワ」では、そうしたCD制作の様子はもちろん、スウェーデンでの生活や、音楽の歴史まで、たいへん興味深い記事を読むことができます。
 いろいろお話をさせていただき、田中さんたちとは夕食時に再会することにし、私は里子さんにヨーテボリ大学 Göteborgs universitet音楽・演劇科 Högskolan för scen och musik の建物を見せていただくことにしました。
 こちらの学校で講義をされていたこともあるという里子さんの案内で訪れた大学。入口は吹き抜けの明るい雰囲気で、開かれたイメージを持ちます。全体的に天井が高い印象。ところどころに大きな絵や現代造形美術品などが飾られていますが、里子さんのお話では、スウェーデンでは建物と建てるとき、工費の何%かをこういったものに充てなくてはいけない、と法律で決められているそうです。講義室(スタジオ)が並ぶ階も、廊下は広め。スタジオも平行に並んでおらず、ところどころに学生たちが会話を楽しむスペースがあり、学校に通っている人々が「対話」する余裕を感じる雰囲気。スタジオやホールには、それぞれ、縁のある音楽家の名前がつけられています。チェンバロも入っている古楽の為のスタジオには、里子さんのご主人でいらっしゃる古楽奏者 Sven Bergerさんのお名前が書かれていました。こちらの部屋は、チェンバロなど、古楽器が響きやすい設計になっているそうです。練習室は、どの部屋も学生たちが練習中。また、コンサートができるホールもいくつかあります。一番大きなホールは、舞台が一番低い場所にあり、客席が階段状になっていて、2階席もあり、見たところ500人ほど入りそうでした。こちらでは、外部の人も入れるコンサートなども開かれる、ということです。外国からの留学生も多いようで、行き会った学生も、東欧から来た方のようでした。

2010_3_20 スウェーデンの音楽学生がどのような場所で勉強しているかを知る、たいへん貴重な経験をさせていただいた後、なんと厚かましくも、里子さんのご自宅に少しお邪魔させていただきました。古学奏者のご主人様、Sven Bergerさんにもお会いでき、たいへん光栄でした。さて、まずお家に入って目に入って来たのが、S. Bergerさんの膨大なコレクション!2010_3_20a様々な国の「吹く」楽器。あれは何ですか、これは何ですか?と聞いていると・・・実は、この台も楽器なんですよ〜。と布を撒くって下さると、なんとその台、1800年頃のスウェーデンのクラヴィーア。クラウスやモーツァルトの曲をちょっと触らせていただきました。クラウスより、少し後の時代の楽器ですが・・・クラウスは、どんな楽器でホ長調のソナタを作曲したのかしら?という私の疑問に、少しだけ近づいた気持ちでした。コーヒーをいただきながら、新しくリリースされたマーラーのオルガン版によるCDについて、スウェーデン音楽の歴史の書籍について、S. Bergerさんのご友人で若くして亡くなられたジャズピアニスト、ヤン・ヨハンソン Jan Johanssonについてなど、興味深いお話しを沢山していただきました。

 里子さんに、私のヨーテボリでの宿泊先であるアン・エルキェーさん宅まで送っていただき、田中さんと合流。(実は、田中さんもアンのお家に宿泊中でした)夜は、ヨーテボリの街の中のポーランド料理店で、田中さん、田中さんのご友人たち、そして当会ではお馴染みのギターリスト マーティン・フォーゲル Martin Fogel さんたちとお食事。実は、マーティンとスウェーデンで会うのは初めて!

 食事の後、ようやくお家でアンと再会。ヨーテボリとの縁を作ってくれたのはアンだったのですが、実は、この日は私のコンサートと同じ時間に、アンとマーティンはデュオで他のコンサートがあり、残念ながらお互いの演奏会を聴けませんでした。
 さて、ここからは、出演演奏会が終わりほっとしたのか、なぜか写真が増えるので、画像も少しずつご紹介できると思いますので、お楽しみに!

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